第61章 ドクトル・ホグバックの屋敷
ナミが問いかけ続けているが、いくら待っても誰かが出てくる気配がしない。ヒルドンが言ってたから、少なくともドクトル・ホグバックはいるはずなんだけど…
「……誰もいないのかな?」
「留守なんじゃねェか………?」
「それも困る。引き返したらゾンビよ!!」
「見ろ!奥で明かりがついたぞ。明かりっつうより…スポットライトだ。」
通路のところからライトがついた。とりあえず行く宛もないので明かりのところに移動する。スポットライトに照らされているのは井戸のようだ。これはまた雰囲気のある井戸…何か出てきそう…
「いらっしゃい。」
「「「「ギャアアアアアアアア!!!」」」」
言ったそばから出てくるの本当に止めて欲しい。金色の髪の女の人がお皿を持ってぬっ、と出てきた。パニックになって井戸から全速力で逃げる私。
「一枚、二枚、三枚、四枚、五枚、六枚、七枚…」
「えーーーー!?何だ何だ、皿を投げて来るぞあの女!!いでェ!!!なんかおれが狙われてねェか!?」
ウソップの叫び声を聞いて、走っていたが止まり後ろを振り返る。お皿をウソップにのみ投げていた。恐る恐るナミとチョッパーのところに戻る。
「ええ…そうよ、あんたは屋敷に招待できない!!そこの三人は入っていいわ。」
「え?何で?」
「あんたは行っておしまい!!八枚!!九枚!!」
「もういい!!!待ていっ!!!一人くらい特例で構わねェぜ!!シンドリーちゃん!!」
「誰か出て来た。」
何でウソップだけそんなに歓迎されてないんだろう…と若干混乱しながら見ていたら、屋敷から男の人が出て来た。いるじゃん…答えてくれよ。
「驚かせて悪かった、お前ら!!この女は昔婚約していた大富豪の主人の愛を試す為に、主人の宝物の十枚の皿を全て叩き割った所婚約破棄され、顔にハナクソをつけられて追い出されたという不幸な過去を持つ。皿嫌いの使用人シンドリーちゃんだ。」
「いや…どうでもいい…」
主人の宝物のお皿を割ったってだけでそんな仕打ちある?あと…普通にハナクソつけられてってところ嘘臭いんですけど…というか、主人も酷いけど普通に宝物を割るっていうのもどうかと思う…