第61章 ドクトル・ホグバックの屋敷
生まれてきて初めて見たゾンビは恐ろしく、震えが止まらなかった。それは私だけでなく、怖がりな3人も然り。どうすればいいのかも分からず馬車の中で縮みこまっていれば、徐々によってくるゾンビ達。
「ギャーーーーーー!!!馬車が倒れる、」
「あ〜〜〜〜〜…」
「ギャーーーーーーッ!!痛でででで!!」
「ウソップ!!!」
「コイツらすげェ力だっ!!!」
窓からゾンビが入ってきて、ウソップを襲う。次から次へとゾンビがやってきて、馬車も大きく傾き倒れてしまった。強制的に馬車から振り落とされた私達にもう逃げ場などない。
「ギャアアアアアアア!!!うわァ、噛まれたァ!!!ちきしょー噛まれた、おれまでゾンビ化しちまうーーー!!!」
ウソップが大勢のゾンビに囲まれて襲われている。助けに行かなくちゃ、でも恐怖で体が動かない。相手がただの強い敵なら何回も切り抜けてきた。しかし目の前にいるのはゾンビ、どう切り抜けというのか。
「あ〜〜〜〜…」
「ひっ……」
どやどや、と周りにゾンビが集まってくる。噛まれると私もゾンビ化してしまうのだろうか…ゾンビになってもルフィは仲間だと言ってくれるかな。ゾンビを目の前にして恐怖が一周回って冷静になる。その時…
「ゾンビの弱点は…!!!“必殺火炎星”!!!」
「「「「「うおお!!!火だァ!!!腐れヤベー!!!」」」」
ウソップが放った火炎星がゾンビ達に向かって解き放たれる。その火を見てゾンビ達は物凄い勢いで逃げていった。ゾンビと言えば確かに火だが…そんなに効果があるなんて知らなかった
「急げナミ!!!今の内に逃げるぞ!!!」
「お前もだなまえ!!そんなところで座り込んでないで行くぞ!!!」
腰を抜かして座り込んでる私をウソップが引っ張ってくれる。ナミもゾンビに襲われていたようで、チョッパーが背負って逃げていた。うちの男達はビビリでも頼りになるなぁ…