第60章 ようこそ、ゴースト島へ
「……って何だよ!!!驚かすんじゃねェよ!!!どうした!!!」
「だ…だって今、外に…ラ、ライ…オン。こ…こんなの。」
「いてたまるか!!!」
ナミが描いてくれたライオンはなんというか…ルフィよりは上手いけど、何とも表現しにくい独特の絵だった。継ぎ接ぎだらけで、人面みたいなライオンだった。そんなライオン見た事がなく、ウソップも全力で否定をする。
「だったら自分で外見なさいよ、ほら!!」
信じない私達にナミはカーテンを開けて外を見るように訴える。言われるがまま除くと…継ぎ接ぎだらけの化物達が、歌って踊っているところを目撃してしまった。怖い、得体のしれない化物達。悲鳴を上げる余裕もなくただただ震える私と、現実なのか一旦確認をしてもう一度外を見直す3人。
「「「なんかいたァ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!ものっっすごいなんかいた〜〜〜〜〜〜〜!!!」」」
「ちょっと止めて!!馬車止めてヒルドンさん!!」
「どうなさいました、そんなに慌てて…幻覚でも見えましたか。」
「ありゃ幻覚じゃねェ!!確かになんかいたんだ!!この森やっぱおかしすぎるぞ!!」
「そうでしね、少し変わっていまし。そしてこの深い霧と恐怖心から、幻覚を見てしまう方もちらほら。」
「え?幻覚か?今の!よかったー!!」
「いやいや…!!!幻覚!?…いや…それにしちゃ鮮明に……………!!」
幻覚だ、なんておかしい。そんなバケモノが見えてしまうようにできてる森なら、ヒルドンさんがそうやって言うはず。そう言わなくて、見えてしまう人もいる、という曖昧な言い方をしているところを見ると何とも信じられない…
「ナミ……」
ヒルドンさん、少し怪しいかも…とナミに目で合図をする。ナミも少し疑ってきたみたいで、コクン、と軽く頷いた。
「ヒルドンさん、悪いけど!!引き返して海岸まで送ってくれないかしら。危険でも私達、その後は何とかするから。」
「えーーーっ!?そしたらドクトル・ホグバックに会えないじゃねェかー!!!会いたいじゃねェかーーーっ!!!」
ナミのその提案にチョッパーは泣き出した。そんなにドクトル・ホグバックに会いたいのか。でも、どうしても会いたい人物がいたとしても、自分の命まで賭けられない。行くとしてもルフィ達と合流してからだ。