第60章 ようこそ、ゴースト島へ
「これは門の裏側!!…という事は!!船の後方を見て下さい!!!……もしやあなた方、『流し樽』を海で拾ったなんて事は?」
「あ…!!拾ったぞ!!!」
「それが罠なのです。この船はその時から狙われていたのです!!」
「狙うって!?どういう意味だ!?この船は今ずっとここに停まってたのに、何で“島”がそこにあるんだよ!!!」
「これは海をさ迷う“ゴースト島(アイランド)”…!!!『スリラーバーク』!!!」
正面を見ると、確かに大きな島がみえた。ロビンの言ったとおり罠だったみたいだ。待って、今ゴースト島って言わなかった?てことはつまり、さっき船に入ってきたオバケはここから来たってことなんだよね。
「さ迷う島…!?“記録指針(ログポース)”は何も反応してないわ…!!」
「そうでしょう。この島は遠い“西の海(ウエストブルー)”からやって来たのですから!………!!しかし今日は何という幸運の日!!人に会えただけでなく!!私の念願まで叶うとは!!ヨホホホ!!」
ブルックは2階のダイニング前の柵から、船首のライオン待てまるで重力を感じさせない大きなジャンプをして移動した。
「うお!!何て身の軽さ…!!」
「ヨホホホ!!!そう!!“死んで骨だけ”軽いのです!!あなた方は今すぐ後ろにそびえる門を何とか突き破り脱出して下さい!!!絶対に海岸で錨など下ろしてはいけません!!!私は今日!!あなた達に出逢えてとても嬉しかった。おいしい食事!!一生忘れません!!!てはまた!!ご縁があればどこかの海で!!!」
「おい!!待てブルック!!」
「おいおいお前能力者だろ!!」
「飛び込んでどうするんだよ!!!」
矢継ぎ早にお別れの言葉を言ったと思えば、船首から海へと飛び込んでしまった。さっきヨミヨミの実を食べて蘇ったという話を聞いてしまえば、海に飛び込むことなど自殺行為だということもわかっている。しかし…
「海の上を走ってる!!!」
「うおー、すげェ!!!」
沈む前に足を前に出す、を繰り返して海の上を走ってるようになってるってことか。でもブルックって一体何歳よ…あんな高速に足なんて動かせるもんなの?