第60章 ようこそ、ゴースト島へ
「何言ってんだよ水くせェ!!!だったらおれが取り返してやるよ!!!そういや誰かに取られたっつったな、誰だ!!?どこにいるんだ!!」
「………あなた本当にいい人ですね。驚いた!!しかしそれは言えません。さっき会ったばかりのあなた達に、“私の為に死んでくれ”なんて言えるハズもない。」
「敵が強すぎるって事か?減るもんじゃなし、名前を言うくらいいいだろ。」
フランキーの言う通り、名前くらい言ってくれてもいいと思うが…ルフィのことだから、名前を聞いても聞かなくても取り返すって言うからあまり変わらない。こう見えて私達、政府に宣戦布告して来てますからそれなりに強さはありますよって言いたい。
「いいえ、言いません…当てもないのです!!ヨホホホ。私の第二の人生が終わるまでに会えるかどうかもわかりません。もし次に会った時にはと…私も戦いをハラに決めていますが。それより歌を歌いましょう!!!今日のよき出逢いの為に。私は楽器が自慢なのです!!海賊船では“音楽家”をやってました。」
「えーーー〜〜っ!!?本当かァ!!?頼むから仲間に入れよバカヤロー!!」
「ヨホホ!!では楽しい舟唄を一曲いきましょうか!!」
バカヤローって、他に何誘い方ないのかよ。船出の時から言っていた音楽家、確かにルフィの理想にピッタリかもしれない。でも本人は嫌がってる、というかまだやらなくちゃいけないことがあるから断ってきてる。もう少し事情を聞き出せればもしくは…その時、
「ギャアァアアァア!!!」
「おい、何だどうした。」
「ゴ…ゴースト〜〜〜〜!!」
「「うわーーーー!!何かいるーーーー!!」
「えっ…なに、やだやだやだ、」
ブルックの叫び声で驚いて椅子から立ち上がってしまった。その後、自分の真上から船に典型的なゴーストが目に見えて現れてきてその場から転げるよう逃げる。そしてゴーストから距離をとった時、大きな揺れが船を襲う。
「何の震動だ!!?」
「何て事!!まさかこの船はもう『監視下』にあったのか!!?見て下さい!!前方が門で閉ざされました!!!今の震動はコレです!!」
ブルックの声で外に出て周りを見てみる。相変わらず深い霧に囲まれているけど、薄っすらと門…のような巨大なものが見える。