第60章 ようこそ、ゴースト島へ
「“影”は…数年前ある男に…奪われました。」
「………奪われた?」
「…………“影”を……?」
影が奪われる…?それは一体どういうことなんだろうか。影なんて奪えるようなものじゃないよね。そんな不可能なことが可能になるのは…悪魔の実以外考えられない。
「お前が動いて喋ってる以上、今更何言おうと驚かねェがそんな事があんのか?」
「あります。“影”を奪われるという事は、光ある世界で存在できなくなるという事で、“直射日光”を浴びると私の体は消滅してしまうのです!!同じ目に遭った誰かが太陽の下消えていく所を目のあたりにしました…!!それはもう身の毛もよだつ光景でした。ガイコツなのに。“光”で地面に映るハズの“影”がない様に、鏡や写真などに私の姿が写る事もありません!つまり私は光に拒まれる存在で!!仲間は全滅“死んで骨だけ”ブルックです、どうぞよろしく!!」
「何で明るいんだよ!!!さんざんだな、お前の人生。」
「なのに“コツコツ”生きてきました!!骨だけに!!!」
「うるせェよ!!!」
「ヨホホホホホホホ、ヨホホホホホホホ!!」
「おいおいどうした、大丈夫か。」
「今日はなんて素敵な日でしょう!!!人に逢えた!!!」
そのブルックの言葉に、全員が口を閉じた。明るく言ってるけど、さっきのさ迷ってたって話を聞いたあとだとその1言が重く感じられる。どれだけの期間この人は…一人だったのだろう。