第60章 ようこそ、ゴースト島へ
それから私達はいつもより騒がしい食事を終え、ブルックの話へと移った。どうやらブルックは本物のガイコツだけどガイコツじゃないみたいだ。
「“ヨミヨミの実”…!?」
「やっぱり悪魔の実か…」
「そうなのです!私実は数十年前に一度死んだのです!!」
「まず顔を拭けよ。どう食ったらそんなに汚れるんだ。」
ご飯を食べ終わったブルックは、それはとてもビックリするほど顔面が汚かった。よっぽどかきこまない限りそんな汚くならないと思うんだけど…
「ヨミヨミの実とは“ヨミがえる”、つまり『復活人間』というわけで、二度の人生を約束される何とも不思議な能力でしてね!!私その昔海賊だったのですが、あ、失礼ゲップ!!私の乗っていたさっきの船で仲間達と共にこの“魔の海”へ乗り込んで来たのですが……………!!あ、失礼ブッ!!」
「てめェにマナーってもんをたたき込んでやりてェ。」
話の間に下品にゲップやオナラをするブルック。紳士って絶対に嘘だろ。…というか、ここまで遠慮しないで自由にする人ははじめてだ。
「運悪く…恐ろしく強い同業者に出くわし、戦闘で一味は全滅。当然私もその時死んでしまったのです!!………生きてる間はただカナヅチになるだけのヨミヨミの能力でしたが、ついにその日実の能力が発動しました。私の『魂』は“黄泉の国”より現世に舞い戻ってきたのです!!すぐに自分の死体に入れば蘇れる筈が、私の死んだこの海はごらんの様に霧が深く迷ってしまい、霧の中魂の姿でさ迷い続けること一年!!自分の体を発見した時にはなんとすでに“白骨化”していたのです!!!びっくりして目が点になりましたよ。目玉ないんですけども!!!ヨホホホ!!!」
「マヌケだなー。ゾロみてェな奴だな、なはは。」
「あのな。」
悪魔の実自体の能力はなんというか、人並み外れているというか…でも、もう一度人生をやり直せるとしてもガイコツで過ごすのは大分嫌じゃないか。さっき通り、普通に見た目が怖いし悪魔の実だって言っても信じられないという人もいるだろう。