第59章 新しい仲間と船と
「よし開いた、わっ!!!」
「うわっ!!!?」
「何か飛んだ!!!」
開けた樽から打ち上げ花火のように何かが空に飛んでいき弾けた。それはとても眩しくて、目がチカチカとする。
「………!!何!?どういう事!?」
「酒が飛んで光って消えた!!」
「“発光弾”よ。」
「はっはっはっ、海の神の呪いじゃねェか?」
「…そんな悠長な……」
こんな海の真ん中で、あんな大きな発光弾を打ち上げたんなら物凄い目立っただろう。中身がお酒じゃなくて、それがフェイクで何かの罠だったりしたら…
「…ただのイタズラならいいけど…もしかして…この船はこれから誰かに狙われるかも知れない。」
「まさか…そういう罠なのか!?樽を開けた事で、おれ達がここにいると今誰かに知らせちまったのか!?」
「どこにも誰も見えないぞ!!?」
やっぱりロビンも同じことを考えてたみたい。そうじゃないとこんな手の込んだイタズラが海に浮かんでるだなんて考えづらいもんね。でも、一体どこから…
「誰も…見えないけど…みんな、持ち場に!!南南東へ逃げるわよ!!“大嵐”が来る!!!5分後よ!!」
「見えねェけど、あいつが言うんだからまた急に来るんだろうな。ナミ、進路は!!?」
「2時へまっすぐ!!」
新しい船でたどたどしくだけど、ナミの指示で船を動かす。しかし間に合わなかったようで、晴天だった空はスッカリと黒くなり雷が鳴る。
「……!!ダメだ、完全に向かい風!!!」
「オイ!!この船の力はこんなもんか!?」
「そっか!みんな帆をたたんで!!『外輪(パドル)』出すわよ!!」
「おお!!アレか!!」
「うおー!!アレかっこいいから好きだ、やれー!!!」
みんなで見た、船の中にあるいくつかのパドルシップ。これはフランキーの力作だと言ってたがそのとおりで、他の船には中々ない機能だと思う。機械好きの3人がまた見られると騒ぐ。