第8章 海賊泥棒
「あ!!ゾロが寝てんのに!!」
「え!!あ、そうだゾロ!!大丈夫!?」
そうだ忘れてた。目の前の家には休ませていたゾロがいるはずだ。この瓦礫量じゃ命はないと思うだろう、普通なら。でも、ゾロは絶対に生きているだろうという確信があった。
「死んだか…!?腹巻きの小童…!!」
「おいゾロ生きてるか!?」
「返事してぇ!!」
瓦礫から動く気配がした。案の定、崩壊した瓦礫のホコリからゾロが現れた。
「あーー、寝覚めの悪ぃ目覚ましだぜ。」
「よかった!生きてたか!」
聞いた?目覚ましだってさ。どんだけだよ、タフだなぁ。もう私はお前たちが怖い!
「何で生きてられるのよ…!」
「…!!胸をえぐられる様じゃ…!!こんな事が許されてたまるか!!二度も潰されてたまるか!!突然現れた馬の骨に、わしらの40年を消し飛ばす権利はない!!町長はわしじゃ!!わしの許しなくこの町で勝手なマネはさせん!!いざ勝負!!」
バギー玉が飛んできた方向に向かって歩き出すブードルさんにナミは慌てて引き止める。
「ちょ…ちょっと待って町長さん!」
「離せ娘っ!!」
「あいつらの所へ行って何ができるのよ!!無謀すぎる!!」
「無謀は承知!!!」
ナミも思わず手を離しちゃったのだろう。そのすきにブードルさんは走って行ってしまった。…ブードルさん、泣いてたな。この町が、自分の造った町が簡単に壊されていく光景を見るのってどのくらい辛いんだろう。私には想像がつかないけど、でも何もしないでただ見てるほど辛いことはないっていうのは分かる。
「何だか盛り上がってきてるみてぇだな!」
「しししし!そうなんだ。」
「笑ってる場合か!!」
「大丈夫!おれはあのおっさん好きだ!絶対死なせない!!」
「こんなところで笑ってて、どっからその自信がわくのよ!!」
「おれ達が目指すのは“偉大なる航路(グランドライン)”。これからその海図をもう一度奪いに行く!仲間になってくれ!海図、いるんだろ?宝も。」