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異世界人の冒険

第8章 海賊泥棒


私が泣き終わった頃…といっても、そんな号泣はしてないよ?ナミが私達に近づいてきた。

「どなってごめん!」

「ん?いいさ、お前は大切な人を海賊に殺されたんだ。なんかいろいろあったんだろ?別に聞きたくねぇけどな。」

そうなんだ。ナミも、色々あったんだな。聞かないところがルフィのいいところだよね。ナミもそう思ったのか、少し笑顔を見せた。

「ぬぐぐぐぐ……」

隣で唸りはじめたブードルさん。何を思ったか、いきなり叫び始めた。

「わしはもう我慢できーん!!!酷さながらじゃ!!さながら酷じゃ!!シュシュや小童がここまで戦っておるというのに!!町長のわしがなぜ指を咥えて我が町を潰されるのを見ておらねばならんのじゃ!!!」

「ちょっと町長さん!落ち着いてよ!」

変わって今度はナミがブードルさんを抑える番だ。てか、なんで叫んだブードルさん。バギーに聞こえちゃったりしてないかな。

「男には!!退いてはならん戦いがある!!!違うか小童!!!」

「そうだ!!おっさん!!」

「あ、そこ乗せるんだ。」

「のせるな!!あんたも見てないで止めなさいよ!!」

「えー?ルフィは止めても止まらないから…」

私の言葉を聞いて、ナミはまったくもう…と大きく息を吐いた。この短時間で、ナミもルフィがどういうやつか分かったのだろう。

「40年さながら!!ここはただの荒地じゃった…!そこから全てを始めたのじゃ。“ここにおれ達の町をつくろう。海賊にやられた古い町の事は忘れて…”…はじめはちっぽけな民家の集合でしかなかったが、少しずつ少しずつ町民を増やし、敷地を広げ店を増やし、わしらは頑張った!そして見ろ!そこは今や立派な港町に成長した!!今の年寄りがつくった町なのじゃ!!わしらのつくった町なのじゃ!!町民達とこの町はわしの宝さながら!!!己の町を守れずに何が町長か!!!わしは戦う!!!」

そっか、ブードルさんの前の町は海賊にやられたんだ。それから頑張って造った町なんだ。町を造るなんてそんな簡単に出来るものじゃない。凄いことだ。なのに今も海賊に陣取られているなんて、何の皮肉だろうか。その時だ。

ドゴゴゴゴゴゴ!!!!

凄い爆音と共に目の前の建物がいきなり潰れた。またバギーが大砲を撃ったんだ。爆風で4人とも飛ばされてしまった。
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