第59章 新しい仲間と船と
「ええええええええええ!!!?」
「えーーーっ!!?ちょっとロビン!!!」
「にぎったーーー!!!」
「潰れるぞロビンーーー!!!」
握った、というか潰すような勢いで触っているらしい。握られているフランキーだけでなく、見ているルフィやチョッパーもとても痛そうに顔を歪めている。
「おいロビン、男のまま仲間にしたいんだよ!!!取んなよっ!!!」
「“宝”を目前にした海賊に『手を引け』と言うのなら、それなりの理由を言って貰わなきゃ引き下がれないわよ。」
「ぐおあーーーーー!!だ……だからこの島にいてェんだよおれァ!!お…お前らにゃ…感謝してるさ……!!したってしきれねェくらいにな…!!!一緒に行ってやりてェが…おれにはここでやらなきゃならねェ事がある!!!だから船を贈ったんだ!!!そもそもおれは船大工をやめた身だ!!だからそいつはおれの造る生涯最後の船になる!!念願だったんだ…それこそが“夢の船”だ!!!」
私達にフランキーを無理矢理にでも連れて行け、と言ったアイスバーグさんが言ってたことはこれだろう。もう意地だって言っていたが…どのような理由があってフランキーはとどまってるんだろう。
「待て…フランキー。コイツはまだお前の言う“夢の船”には成ってねェハズだ。」
「…………………!!やりてェ事が変わったんだ…!!」
「やりてェ事……!?それは違う。お前が今この島でやってる事は全て“償い”だ……!!あの日…トムさんが連行されて行った事を自分のせいだとお前は悔いているんだ。だがトムさんはあの日すでにお前を許し、道を許し道を示していた…!!!お前が裏町のチンピラ共をまとめ上げた事も、賞金稼ぎを名乗り『略奪者』達からこの島を守っていた事も、全てはトムさんの愛したこの“水の都”を守り抜くというせめてものお前の罪滅ぼし。端からはとてもそうは見えねェだろうがな。」
そっか、アイスバーグさんはフランキーと顔馴染だって言っていた。フランキーの生き方も理解していたんだな。この町に来る海賊も、私達がされたように追い払ってきたんだろうな。