第59章 新しい仲間と船と
「……!!見えねェだろうよ…そんなつもりは毛頭ねェ!!!」
「大好きな船造りもやめて、自分を押し殺して生きてきた…これからもずっとそうするのか!?たとえトムさんが許してくれても、おれがお前を許してやっても……何も変わらねェんだろうな………!!!もういい加減に…!!!自分を許してやれよフランキー!!!」
自分の好きなように生きろ、とそう言っているアイスバーグさんに泣いているフランキー。そこに大きな荷物が降ってきた。
「旅の荷物です!!アニキ!!!」
「アニキィ〜!!!色々…!!!勘弁して下さい!!!ホントにすいません!!!どんな罰でも覚悟の上です!!!……!!!おれ達バカだから!!!ねェ頭振り絞って一生懸命考えたんですっ!!!」
「ねェ頭で何を考えたってんだよ!!!おれからパンツを奪う方法か!!?アァ!!?おれを海賊にする方法か!!?出しゃばんじゃねェよ!!おれの人生だ!!!全ておれが決める事だ!!!子分共に敷かれたレールの上を、棟梁のおれが喜んで歩けるかみっともねェ!!!本当にくだらねェ、ねェ頭なら初めから使うんじゃねェよ!!!」
「申し訳ねェ…!!でも少しくらい考えたらダメですか!?おれ達みてェなゴロツキを拾ってくれた“大恩人”の…あんたの幸せも考えたらダメですか!!?」
ザンバイの言葉で衝撃を受けたフランキー。そのまま倒れると、不意に忘れてたかのように痛みだした。これはきっともう物理的な痛みじゃない。
「ちっきしょうニコ・ロビン!!てめェ許さんぞ!!!痛くて涙が止まらねェええ!!!」
「ん?アレ?お前何もしてねェのか?」
「ふふっ…私がやったのは初めの一回だけよ。ずるいわね…涙を痛みのせいにして。」
私達の前でも何回も号泣姿を晒していたというのに、今更何で…でも、後はフランキー自身が私達に付いていくか、ここに残るか決めてもらうだけだ。