第2章 無色透明な石
「野郎共乾杯だ!ルフィの根性と俺達の大いなる旅に!」
かんぱーーーい!!!
一気に賑やかになったマキノさんの居酒屋で、シャンクス達による宴が始まった。赤髪海賊団の皆は次々とお酒を飲んでいく。一方ルフィは
「あーー、痛くなかった。」
「嘘つけ!!バカな事すんじゃねぇ!!」
まだ痛みは少し残ってるのか、目に大きな涙を浮かべ震えた声で言い放つルフィ。強がりもいい加減にしなさいルフィ。めっちゃ痛い痛いと言ってたじゃんか。
「俺は怪我だって全然恐くないんだ!連れてってくれよ次の航海!俺だって海賊になりたいんだよ!」
「お前なんかが海賊になれるか!カナヅチは海賊にとって致命的だぜ!」
ルフィは悪魔の実を食べる前から泳げなかったようだ。ある意味よかったような。最初から泳げなかったのなら、泳げなくなったところで支障はないからね。
「カナヅチでも船から落ちなきゃいいじゃないか!それに戦っても俺は強いんだ。ちゃんと鍛えてるから俺のパンチは銃(ピストル)のように強いんだ!」
「銃(ピストル)?へーそう。」
「なんだその言い方はぁ!!」
「ふっ」
「笑うなよ!!」
ごめん、つい。意気揚々と話すルフィと、全然興味なさそうなシャンクスの温度差が面白くて。
「おうおうルフィ!なんだかご機嫌ナナメだな」
「楽しく行こうぜ何事も!」
「そう!海賊は楽しいぜぇ」
「海は広いし大きいし!色んな島を冒険するんだ。」
「何より自由!!」
奥から方を組んでやってきた船員(クルー)達。皆の言ってることにルフィはさらに嬉しそうな顔をする。
「お前達。バカな事吹き込むなよ。」
「だって本当の事だもんなー」
「なー」
ヤソップさんとルーさんが顔を見合わせて愚痴る。確かに海賊は楽しいだろうけど。その辺はシャンクスがやっぱり船長なだけあって、しっかりしてるように見える。
「お頭、いいじゃねぇか。一度くらい連れてってやっても。」
「おれもそう思うぜ。」
「おお!」
ほらほら、ルフィがまた嬉しそうに期待してるし。
「じゃあ変わりに誰か船を降りろ。」
「さあ話は終わりだ飲もう!」
「味方じゃないのかよ!!」
シャンクスの一言で切り替えした船長(クルー)達。面白いなぁ。