第2章 無色透明な石
シャンクス達が海に行ってから一週間。私とルフィは気があったらしく、間もなく仲良くなった。
「なまえ!俺は海賊になりてぇんだ!強くなるために一緒に練習してくれ!」
「海賊っていいよな!自由なんだぞ!海賊は歌って旅をするんだ!いいよなぁ〜。」
…話すことは海賊ばっか。この頃からずっと海賊に憧れていたみたい。まあすぐ近くに海賊やってるシャンクスがいるから、その影響かもしれないな。村長さんはそんなルフィに毎日のように海賊がいかに危険かということを言い聞かせているが、効果なし。村長、お疲れ様です。もうそろそろシャンクス達が帰ってくる頃だろう、私達は海へ迎えに向った。
「あのな、なまえ。俺、次こそ絶対に海へ連れてってもらうんだ。だから、止めるなよ!」
「………?……分かった。」
すごく意気込んだ顔をして、私に言ってきたルフィに違和感を感じたが、そこまで海に行きたいんだろう。何も言わずにそっと見守ることにした。シャンクスは海の怖さを嫌と言う程知ってる。だからこそ、絶対にルフィを海にへは連れて行かないだろうから。
「おかえり、シャンクス。みんな!」
私はただ、海から帰ってきた陽気な英雄達を笑顔で迎えるだけだ。
「おいルフィ。何する気だ。」
帰ってきたその次の日。ルフィはナイフを持ってレッドフォース号へと向かった。マキノさんの居酒屋でお皿を拭いていた私だったが、ナイフを持ってるルフィを見て、慌てて追いかけたのだ。
「ふん。おれは遊び半分なんかじゃない!!もうあったまきた!!証拠を見せてやるっ!!」
ナイフを持ち上げて堂々と船首に立つルフィ。私は何が起こるかハラハラとしていたが、シャンクス達は笑っていた。止めてくれよ…
「だっはっは、おう!やってみろ。何するか知らねぇがな!」
「またルフィが面白ェことやってるよ。」
高々とナイフを上げていたルフィの手が、勢い良くルフィの左頬に突き刺さる。というか、自分でやったんだが。
「な…」
「ルフィ!!」
「いっっってェ〜〜〜〜!!!!いてーーよーーーーー!!!!」
「バ……バカ野郎、何やってんだぁ!!?」
みんなは慌ててルフィを回収。すぐに傷になってしまった左頬を手当する。その間、ルフィはずっと痛い痛いと泣いていた。当たり前だバカ。一体何をしたかったのか。