第58章 再会
「え!?ウソップは戻って来る!?」
私達は仮本社に戻ってみんなにウソップのことを報告した。案の定、ゾロは渋い顔をしていて嫌な予感がした。
「う、うん……海岸で予行練習してた。」
「ホントかーーっ!?何だ!!そうなのか!!じゃ今すぐ迎えに行こう!!」
「おーーーー!!!」
「素直じゃないわね、ホント。」
「やったーー、ウソップが帰ってくる〜〜〜!!!」
「ま、待って!!!!」
喜んで迎えに行こうとするルフィ、ナミ、チョッパー。気持ちは分かる、気持ちは分かるが私達が行っちゃだめってことも分かる。
「ルフィ……ウソップが謝ってくるまで絶対に迎えに行っちゃ駄目だよ。」
「えー!?何で!?」
「何でって…ルフィは船長でしょ?ルフィが下手にでちゃだめだよ……だよね、ゾロ。」
あまり自分の言葉に自信が持てなくて、仁王立ちして見ていたゾロに助けを求める。やっぱり私じゃビシッ、ということができない。
「その通りだ。ルフィとウソップの初めの口論にどんな想いがあろうがどっちが正しかろうが……!!男が“決闘”を決意した以上、その勝敗は戦いに委ねられた。そしてあいつは敗けて……!!勝手に出てったんだ。いいか、お前ら。こんなバカでも肩書きは“船長”だ。いざって時にコイツを立てられねェ様な奴は一味にいねェ方がいい…!!船長が“威厳”を失った一味は必ず崩壊する!!!普段おちゃらけてんのは勝手だが、仮にもこのおれの上に立つ男がダラしねェマネしやがったら、今度はおれがこの一味を抜けてやるぞ!!!」
「え〜〜〜!?それじや話がまとまらないじゃないっ!!」
「あのアホが返って来る気になってんのは結構な事じゃねェか。だが今回の一件に何のケジメもつけずうやむやにしようってんなら、それはおれが絶対に許さん!!!その時はウソップはこの島に置いていく!!」
確かに、あの海岸で見たウソップはずっと私達にいかに溶け込むか、というようなセリフ練習しかしてなかった。ごめん、の1言もなかった。それは違うとも私は思うけど、ゾロの言い方も言い方だと思う。