第58章 再会
「…20年前オハラの為に戦った巨人、ハグワール・D・サウロとおれは…親友だった。あの日…奴の意志をくみ…お前を島から逃したおれには、その後の人生を見届ける義務がある…!!!だが20年たっても宿る木もなく、追われては飛び回る危険な爆弾をこれ以上放置できないとふんだ。何より…お前はもう死にたがっていると思った…おれは今回…オハラの全てに決着(ケリ)をつけるつもりでいたんだ。当然『CP9』が破れるという結果はまったく予測できなかった…………やっと宿り木が見つかったのか…!?」
「………ええ。」
「サウロがお前を生かした事は…正しかったのか、間違いだったのか…これからお前は……その答えをみせてくれるのか?」
「…そのつもり…」
「………だったらしっかり生きてみせろ…“オハラ”はまだ…滅んじゃいねェ。」
そう言って青キジの声が聞こえたくなった。ロビンはすぐに壁の向こう側へ移動するが、青キジはもうすでにいなくなっていたらしい。そういえば、ガープさんが青キジがどうとか言ってたような…
「………ん?」
「………どうしたの?」
「あぁ…いや………ちょっと席外すね。」
冷気がここまで漂ってきてる。ドック内にはいないけど、多分外にまだ青キジがいる。さすがにここでは騒ぎは起こさないだろう。ルフィがロビンに声をかけてることを横目で確認し、ドックから出る。
「よぉ、お嬢様ちゃん。」
「………青キジ…」
私が予想していた通り、ドックの大きなドアの前に自転車に跨いで待っていた青キジを見つけた。手にはブラブラと私の宝石で遊んでいる。
「返して下さい。」
「……まぁ、そのつもりで来てんだけどね。ほら。」
チャリン、という音を立てて青キジの手から宝石が落ちた。やっと帰ってきた、私の命綱。ギュッ、と握りしめる。