第58章 再会
物に悪魔の実か…つい最近そんなのに会ったよね。長官が持っていた、像になる剣。それからアラバスタの時の犬みたいな銃、あれもそうだよね。
「すごい人だらけですよ!!世界は!!僕はルフィさん達に会うまでどれだけ狭い世界で生きてきたのかを、この海で思い知りました。ルフィさんがあの日…タルの中から飛び出て来なかったら、僕は今でもアルビダの船でへつらって雑用をしてたに違いない。」
「あははは、そうそう、アルビダの船にいたよなお前。ホント面白かったな、だいたい船にのってる理由がよ!!」
そんなに大笑いするほど面白い理由だったっけな。釣り用の船と間違えて海賊船に乗っちゃったんだったよね。確かに大分間抜けだな、とは思ったけど。後はもう2人がガープさんとどうやって知り合ったか、とか私達の冒険の話とかに花を咲かせた。ヘルメッポは分からないけど、コビーは根本的なところは変わってなくて、でも確実にたくましくなっていてカッコイイと思った。
「え〜〜〜〜〜〜〜!?本当にもう帰んのか!?メシ食ってけよ!!メシ!!」
「ルフィ、相手は海軍なんだから…そんな引き止めちゃだめだよ。」
「え〜〜〜〜!!!」
1時間くらい話しただろうか、せっかくだが帰る時間が来てしまった。あんまりここに滞在することはできないみたいだ。渋るルフィをなだめて、見送ろうと仮本社の前まで移動する。
「そうです、僕らは敵同士…馴れ合うわけにはいきませんから。ルフィさん!!この“偉大なる航路(グランドライン)”の…!!後半の海の呼び名を知ってますか。“赤い土の大陸(レッドライン)”の向こう側に広がるその最後の海を人は…もう一つの名前でこう呼ぶんです。“新世界”。」
「……新世界……」
「次の時代を切り開く者達の集う海!!その海を制した者こそが!!“海賊王”です!!!ルフィさん!!僕らきっとまたそこで会いましょう!!!今度は僕はあなたを捕まえる!!!もっともっと強くなって!!僕はいつか!!!海軍の…た…!!!“大将”の座についてみせます!!!」
かっこよく、勢いでそう宣言したコビー。本当に成長したなぁ…なんて思ったが、その後自分の発言に驚いて尻もちをついてしまった。せっかくカッコよかったのに…でもこういうところは昔のコビーの面影が残っていて。