第57章 我らが船
「あの時の、七光りのバカ息子だよ…」
「「あ…お前か。」」
「ぅおーい!!!」
「いたいたこんなの!お前かーーっ!!!」
あの時はその言葉が1番似合ってる人だったからそう説明すると、2人はやっと納得たようだ。私に銃を向けたこと覚えてるからな。
「コイツらやっぱりおれァ許せねェ、コビー!!」
「仕方ないよヘルメッポさん、過去も受け入れなきゃ。」
あれか、あれだ、と言い始めた2人にまたもや涙を流すヘルメッポ。今はもう父の力を借りずに、自分の力でここまで強くなったみたいだからちょっとずつ公正してんのかね。
「さて、じゃあ…おめェら。」
「「「「「「はっ!!」」」」」」
「この壁直しとけ。」
「えーーーーーーーー!!?そんな勝手な、」
「直すくらいなら、なぜ壊したんですか!!?」
「そうやって入った方がかっこいいじゃろ!!」
「そんな理由で壊さないで下さいよ!!!じゃ我々直すんで、あなたも手伝って下さいよ!!?」
「えーー!!?いいよ。」
あぁ…この感じ、ルフィのおじいちゃんだ。偉い位の人なのに、こうやって海兵から言い返されるような人。でも、みんなで壁を直してる光景は大分シュールだなぁ…
「そういえばルフィお前、親父に会ったそうじゃな。」
「え?父ちゃん?父ちゃんて何だよ…おれに父ちゃんなんかいるのか?」
「何じゃい、名乗り出やせんかったのか…………ローグタウンで見送ったと言うとったぞ!」
ローグタウンは海賊王が処刑された町。あの町にルフィの父らしき人がいた…?しかもガープさんの言い方だと、ただ私達を見てたわけじゃなくて直接対面したって感じだよな。私達が対面したのはバギーとかスモーカーとか……いや、突然大きな突風に飛ばされた時、黒いフードを深く被った不思議な人がいた。スモーカーにやられたルフィを助けてくれた、あの人かもしれない。