第57章 我らが船

「ぼくです！！！コビーです！！！覚えてませんか！？」

「…コビー？」

「…………ん、え…コビー？」

「コビィ〜〜？？コビーは友達だけど…もっとチビのコビーしか知らねェぞ、おれは。」

「そのコビーです！！！泣き虫でダメだったコビーです！！」

「ホントか〜〜〜〜っ！！？」

コビーってあのコビーだよね。私達が航海を始めて最初に漂流した島…アルビダの部下だったコビー。でもあの時はもっと…こんな勇ましくなかったような…

「まだまだ将校にはなれてないけど…！！近くにお三方がいると聞いて！！いても立ってもいられなくて！！今の僕らがあるのは、お三方のお陰ですから！！！」

「フン、まァ百歩譲ってな。」

…ん？隣にいる、ゾロと戦ってたこの海兵さんは誰だろう。僕達って言ってるところを見ると、この人も知り合いみたいなんだけど。

「色々あって今、僕達本部でガープ中将に鍛えて貰ってるんです！！」

「そうなのか！！しかしお前成長期にも程があるぞ、おどろいたー。お前ぜい肉だるだるだったもんなー！！」

「事件の後でお疲れなのにすいません。」

「いいよ！！久しぶりだ、宴にしよう！！！」

「ちょっと待てお前らー！！！おれに気づいてねェんだろ！！！」

ルフィがコビーの肩を組んで仮本社に招き入れようとしたところで、隣にいた人が泣いて抗議した。いやごめん、私は気づいてたんだ。だがあまりにも自然に無視するもんだから、そういうもんなのかと…

「誰だ？」

「おれだーーっ！！お・れ・だーーーっ！！」

「知らねェよ、誰だ。」

「答えは…ヘルメッポだ！！モーガン大佐の息子！！ヘルメッポだァー！！！」

ヘルメッポ…ヘルメッポ………あ、思い出した。七光りのバカ息子で、七バカって呼んでた人だ。偉いのは父なのに、その権力を我が物のようにやりたい放題してた人だ。でも何でコビーと一緒に？

「お前を磔にして死刑寸前まで追いやった男だよ！！ロロノア・ゾロー！！！ひぇっひぇっひぇっ！！おいおい、いい加減にしろよ！！！」

2人はずっとはてなマークを浮かべてる。そりゃそうか、ずっと前の話だったし…こいつらが覚えてるわけないか。