第57章 我らが船
「見て二人共!!みかんの木が無事だったのよ、お金も荷物も全部戻った!!これで旅を続けられるわ!!」
「ほんとだ、よかったーーー!!!」
やっぱりチョッパー達に報告する時もみかんの木から言うんだね。なんて思ってると、またドアが勢い良く開いた。
「アウッ!!スーパーか!?おめェら!!…全員…全員は揃ってねェか!!まァいい。」
「フランキーー!!」
「おめェらに話がある!聞けっ!!!」
フランキーは妹分2人を連れて派手に登場した。と思いきや、今日は真面目な話らしく大人しく体育座りをし始めた。
「ある…戦争をくり返す島に…」
「何だ突然!!つまんねェ話なら聞かねェぞ。」
「うるせー、黙って聞け!!!」
まぁまぁ、とサンジを宥め、とりあえず私達も聞く姿勢になる。あまり真面目な話は好きじゃないが…ここまできてくれたんだ、聞こう。
「たとえ島に住む人間が大砲のふり注ぐ戦争を始めようが、島中の人間が死に、町が死に、廃墟と化そうが…ものともせず立ち続ける巨大な“樹”。何が起きても倒れねェ…人はまたその樹に寄りそい町を…国を作る。世界にたった数本…その最強の樹の名は、宝樹“アダム”。」
「木が…何だ?」
「その樹の一部がごくまれに、裏のルートで売りに出される事がある。おれァそいつが欲しいんだが、2億近くもするって代物手が出せないでいた。と、そこへ現れたのが大金をかかえた海賊達………お前らだ。」
「てんめェ!!!おれ達の金でそんなもん買いやがったんじゃねェだろうな!!?」
「まだ話を聞け!!話を!!」
確かに私もちょっと、は?とは思ったけど。でもそれだけの話だったら私達にボコボコにされに来たようなもんだ。