第57章 我らが船
「おれは昔…もう二度と船は造らねェと決めた事がある。だが、やはり目標とする人に追いつきたくて気がつきゃ船の図面を引いてた…おれの夢は!!!その『宝樹』でもう一度だけ!!!どんな海でも乗り越えていく“夢の船”を造り上げる事なんだ!!!『宝樹』はもう手に入れた!!図面ももうある。これからその船を造る!!だから完成したらお前ら、おれの造ったその船に乗ってってくれねェか!!?」
「じゃ…お前その船、おれ達にくれるのか!?」
「そうだ、おれの気に入った奴らに乗って貰えるんなら、こんな幸せな事はねェ。元金はおめェらから貰った様なもんだしな。この海で唯一世界一周を果たした、ゴールド・ロジャーの『オーロ・ジャクソン号』もその樹で造られた。すげェ船にしてみせる。」
「しょうがらいね…トムさんもお前も…結局同じ職人なんらね………んがががが…」
「そうだな………今なら胸はって死んでったトムさんの気持ちがわかる。」
フランキーはそっか…船大工だったんだ。私達から奪った2億は船にして返してくれるってことね。それってとても…嬉しいことだ。元々2億くらいだしてメリーを直そうか、新しい船を買おうか迷ってたくらいだしね。
「お前いい奴だなァ!!貰うぞ!!!ありがとうフランキー〜〜〜!!!」
「うお〜、次の島へ進めるぞーーっ!!」
「嬉しい!!ルフィ!!船が手に入るわよ!!!」
みんなも喜んでる。これでいつも通りの旅ができそうだ。後はここにいない人達に報告するだけ…といってもゾロだけか。彼はどこにいるんだろうか。そう喜んでいたのもつかの間、大きな音を立ててドアが吹っ飛んだ。
「何だ……!!!」
「誰だァ!!!」
「お前らか……“麦わらの一味”とは。モンキー・D・ルフィに会わせたい男達がおるんじゃが…」
「海軍……!!!」
入ってきたのは、ルフィに用があるという海軍だった。追ってくるには早いが…それにしても聞き覚えのある声だな。海軍に知り合いなんていないはずなんだけど。