第8章 海賊泥棒
案の定、檻が砕けたようだった。鍵なくてもリッチーのお陰であいたんなら、モージに感謝してもいいのかもしれない。ルフィを見るため後ろを振り向いた瞬間。
ドゴォオ!!!!
すざましい音とともに私達は飛ばされたみたいだ。お尻に軽い衝撃を覚え、目を開ける。
「あー、びっくりした。裏の通りまで吹き飛んじまったよ。なまえ、大丈夫か?」
「えっと……?うん、大丈夫……」
何が起きたか一瞬分からなかった。気がついた時には半壊してしまった家と、後ろからルフィに抱きしめられる状態で尻もちをついていた。どうやらリッチーに吹き飛ばされたらしい。しかも家を貫通させる威力で。それでも私が無傷だったのはルフィが守ってくれたからだろうか。
「あり、ありがとルフィ!」
「おう!窮屈な檻から出られた!よぉし、これからあいつら全員ぶっ飛ばして、泥棒ナミに航海士やってもらうぞ!!」
あの女の人はナミ、というらしい。もしかして、ここに連れてきてくれた3人組の探してる憎き女ってナミのことじゃなかろうか。
「ナミは仲間になるのを拒んでるみたいだよ?」
「そんなの知るか!おれはあいつに仲間になってほしいんだ!」
まったく…出たよルフィのワガママ。でも、あの人…ナミだったら仲間になってくれたら嬉しいかも!女同士だし、私よりしっかりしてそう
「うおお!!何で生きとるんじゃ小童ども!!」
「何で生きてんのよあんた達!!」
気になって裏側まで来てくれたのだろうか、ナミとブードルさんがあって早々そう叫んだ。まぁ普通だったら死ぬような威力だったもんなぁ。
「?生きてちゃわりいのか。」
「だって家一軒貫通する程吹き飛ばされてピンピンしてるのって変よ!!」
「変でいいよ。」
「しかしお前らこの町へ来た目的は何じゃ!なぜ、あんな海賊とかかわる!!」
「目的ならさっき決めた!“偉大なる航路(グランドライン)”の海図と航海士を得る事だ!それでいいよな、なまえ!」
船長らしいことを言ってくれるじゃないか。たまにはそういう面も見せてくれないとこまるんだけどね。だから私はこう答えるのだ。
「船長であるルフィが決めたことなんだから、私が否定するわけないでしょ!」