第8章 海賊泥棒
ひいいいい!!ライオンの息遣いがすぐそこに。食べられちゃうかも〜!!人間だったらなんとかなるかもとか思った私を殴りたい〜もう逃げたい〜
「なんだお前、へんな着ぐるみ被ってるな。」
「失敬だぞ貴様ぁ!!これはおれの髪の毛だ!!!」
「……え?髪の毛ってそんなになるもん…なの?」
「じゃあなおさら変だな。」
モージの頭は本当にルフィが言ったように、なんかかぶってんのかっていうほど毛深くて、むしろそれが地毛だなんて信じられないくらい。
「やかましいわぁ!!てんめぇ、その檻に入ってるからって安心してんじゃねぇのか。まずおれの怖さを知らんらしい…言っとくが、この世におれに操れない動物はいないんだぜ。例えばそこにいる犬にしてもだ。お手。」
ガブ!!
「あああっ!!お前は所詮名もないこそ泥だ。」
ちょっと待って、今なんかシュシュに噛まれてたけど!?なかったことにしてんの?なんかこいつもバギー同様どっかしら抜けてるなぁ。さっきまで怖かったけど、なんかモージに対しては恐怖がなくなってきちゃった。
「貴様らの命に興味はない。そこの娘、ロロノア・ゾロの居場所を言え。」
「…や、やにきまってんでしょ!!」
なんで私に聞いた?さっきまでルフィに話かけてたみたいだからラッキー、みたいに密かに思ってたのに畜生!!
「やれ!!!リッチー!!」
そんでやっぱり本人は戦わないのな!!全部ライオンでの戦闘かよ卑怯な奴だ!!私に飛びかかってきたリッチー。デカイし避けられない。後ろにルフィの檻があることを確認してしゃがむ。あれだと、檻から先に砕いてくれそうだと思った私の賭けだった。
「やった、檻が開いた!!」