第55章 叫び
「こちらフランキーー!!おい長っ鼻!!ニコ・ロビンの手錠は外したぞ!!!」
『よしっ!!!』
「長鼻くん…ありがとう!!」
『礼なら全てが済んでから、必死に鍵を集めた者達に言いたまえ。君は紛れもなくルフィ君達の仲間だ!!もう思うままに動けばよい!!』
「………ええ、“六輪咲き(セイスフルール)”“スラップ”!!!存分に…!!やらせて貰うわ。」
ロビンが真っ先に攻撃したのは、攻撃されないのをいい事に暴力ばかり振るってきた長官だ。顔が腫れ上がるまで叩きあげろ、そんな奴。
「ほら、お前もだ。」
「ありがとう!!」
フランキーに私の手錠も外してもらい、自由になった。自由になったとしても、宝石がないから思う存分攻撃するということは無理なんだけど。なんて消極的になっている場合じゃない、バスターコールまで時間がない。どうにかしてここを脱出しなければ。
「オシ!!おめェら、急いでこっちへ来い!!脱出の準備は整えとく。」
『了解した。』
ボカァ…ン!!!
大きな爆発音がした。見ると、このエニエス・ロビーを囲っている柵が壊れていた。きっと、バスターコールの軍艦が撃ってきたんだ。もうすぐそこまで迫ってきているということか。
『おい!!!ウソップ〜〜〜〜!!!!』
サンジの大声が電伝虫から聞こえてきた。砲撃がさっき司法の上層部に直撃したけど、まさかウソップが一緒に…とか悪い予感がよぎった。しかし元気なウソップの声もすぐ聞こえてきて、やっぱりタフだな、なんて思った。
『フランキー、ロビンちゃん、なまえちゃん、こっちは無事だ!!今すぐそっちへ向かう!!』
「よかった…」
「じゃあこの場を何とか…おめェら、戦力に数えていいのか!?」
「勿論。」
「あ、私は援護で……お願いします。」
こんな大人数相手に能力なしで戦うのは久しぶりだ。最前線で戦うのを任せられるには荷が重すぎる。私は二人の援護に回ったほうがいいと考えた。
「橋の向こうに“護送船”があるな…アレが脱出のカギだと思わねェか?」
「あの船を奪う他に助かる道はなさそうね。」
頼もしすぎだろ君たち。ルフィ達が司法の塔からこっちに来る前に、護送船の海軍達を追っ払っとかないといけないだなんて…頑張れよ、何て他人事じゃ駄目ですかね。