第55章 叫び
「長鼻君…!!」
「ウソップ!!!」
風が物凄い吹いてる外で、しかも司法の塔のてっぺんから狙撃をしたということになる。さすがうちの狙撃手、狙いに関しては本当に右にでるものはいないといってもいい。
「ロビン、今のうち!!逃げるよっ!!」
涙を流すロビンの元へ走って促す。ロビンは長い橋を戻っていく。しかし私達が逃げたことに気がついたのか、後ろから海兵が撃ってきた。逃げることができない、撃たれる…と思って目をつぶる。その時、すぐ側で鈍い音が聞こえた。
「フランキー!!!」
「…あなた。」
フランキーが体を張って私達を銃弾から守ってくれた。さっき海に落ちてたのに、もう這い上がってきたなんて、コイツも随分タフなんだね。
「大丈夫なのよ、鉄だから。地雷はねェなスパンダ。」
『フランキー君、フランキー君。こちらそげキング。』
「ん?あん?この電伝虫はおめー…」
『ナミから私が受け取った!それよりその付近に小さな“赤い布の包み”が落ちているハズだ。』
「これじゃない?」
火の弾と同じように飛んできてた赤い包み。すぐ側に落ちてたのでそれをフランキーに掲げてみせる。
「おお…あるぞ。」
『鍵が2本入ってる。君のと合わせて、鍵は全て揃うハズだ!!確かに届けたぞ。』
凄い、鍵を手に入れられたってことは…CP9を全員倒したってことだよね。この鍵のどれかで必ずロビンは解放されるってことだ。私もだけど。
「フランキー!!先にロビンをお願い。」
「おう、1番…3番…4番…5番、外れた!!!」
「やった!!ロビン!!」
両手がやっと自由になった安堵からか、ロビンは少しフラついててフランキーはそれをしっかり支えた。長官はロビンが解放されたことによって取り乱していた。