第8章 海賊泥棒
「だけど!いくら大切でも海賊相手に店番させる事ないじゃない。店の主人はみんなと避難してるんでしょ?」
「いや…奴はもう。病気で死んじまったよ。3ヶ月前にな、病院へ行ったっきり。」
「もしかしてそれからずっとおじいさんの帰りを待ってるの?」
「みんなそう言うがね…わしは違うと思う。シュシュは頭のいい犬だから、主人が死んだ事くらいとうに知っておるだろう。」
「じゃ、どうして店番なんて…」
「きっとこの店はシュシュにとって宝なんじゃ。大好きだった主人の形見だから、それを守り続けとるのだとわしは思う。困ったもんよ。わしが何度避難させようとしても、一歩たりともここを動こうとせんのだ。放っときゃ餓死しても居続けるつもりらしい。」
「………そっか、偉いねぇシュシュ」
わしわしとシュシュを撫でる。その時だ、
グオオオオオオオオ!!!
何か、獣のような唸り声が響いた。せっかく穏やかな時間が過ぎてたと思ったのに、びっくりさせやがって。
「な…何、この雄叫び……!!」
「こ…こりゃあいつじゃ!!“猛獣使いのモージ”じゃ!!逃げろーーー!!!」
そういって二人とも逃げていってしまった。ルフィはともかく、シュシュをおいてはいけない。どうしよう。
「あーあ、なんか来ちまったよ。鍵返せよお前。」
「ガウ。」
「そんなのんきな!」
「なまえ、逃げねぇのか?守ってやれねぇぞ。」
「え、だってゾロも…いるしルフィはどーでもいいけどシュシュもいるし…」
ルフィはどーでもいいけどってところで少し首をひねってたルフィだったが、そうか!、と満足そうに笑ってた。私だって海賊だし、仲間を置いて逃げるなんてできない。
「見つけたぜぇ、まず二人…」
すぐ真後ろに聞こえた男の声にびくっ、と肩を震わせてしまった。結構近くにいたのか、びっくりした…後ろを振り返ると…で、で、でっかいライオンだぁ!!めっちゃ目つき悪いし、ライオンなんて檻にいる生き物でしょうが!!出てきちゃだめでしょ!!
「ラ、ラ、ラララライオン!!?」
「おれはバギー一味猛獣使いのモージだ。フハハハ…仲間に見捨てられたのか?不憫だなぁ、せっかく逃げ出したのに…バギー船長はかなりお怒りだぜぇ…えらい事しちまったなぁお前ら。」