第55章 叫び
「コイツ…!!石橋に食らいついてやがる!!!何て往生際の悪ィ女だ!!!忌々しい!!!何てみっともねェ生への執着!!!哀れで!!卑しい!!!罪人の癖に死ぬ事でしか人を幸せにできねェ癖に!!!最期の最期まで何だ、この見ずぼらしい姿!!!何度言わせる!!!もうお前に希望などねェんだよ!!!」
「あるよ!!!ルフィ達が、その希望だ!!!」
思いっきり後ろから体当たりしてやった。長官はその勢いで橋から落ちそうになるが、すんでのところで耐えてしまった。落ちてくれても全然よかったのに。
「このクソ女ァ!!!」
橋の奥の方に蹴り飛ばされてしまった。さすがに腹がたったからといって海に落とすようなことはしないか。落とされても困るんだけど。私が飛ばされて蹴られた腹を抑えて悶ている間にロビンは長官によって抵抗できないくらいにボコボコにされてしまった。
「ワハハハハハハハ…!!間抜けなツラだ…!!ワハハ、無駄な抵抗などするからだ!!ブワ〜〜〜カ!!!ワハハハハハハ!!!行くぞ!!…さァ!!美しく輝く未来へ!!!」
ロビンは腕のところにロープをつけられ、そのまま引きずられている。どうあがいても正義の門をくぐろうとしているのだ。私は自分で立ち上がって長官の後ろを睨みながら歩いている。
「ワハハハ!!見ろ、出航準備万端だ。もう邪魔するものなど何もない!!!ニコ・ロビン、お前に一ついい事を教えといてやろうか。おれ達が今上ってきた階段、その上部に仕掛けてある“地雷”を『ON』にしてきた……もし万が一……ここへ来ようという輩がいたら、階段ごと吹き飛ぶ仕組みさ。面白いだろう?」
しまった、いつの間に仕掛けてたんだ。というか爆発して吹き飛んでしまったら、下は滝だから落ちてしまうじゃないか。でもまぁ…みんななら大丈夫かな。