第55章 叫び
「出たぞ…!!!“ためらいの橋”の上に……!!!見ろニコ・ロビン。“正義の門”はすでに開きおれを迎える態勢にある!!永かった…アレをくぐればおれァ政府の………いや!!“世界の英雄”になれるんだァっ!!!」
司法の塔からじゃ見えなかったバカデカイ扉。これが正義の門。巨人族でも悠々と通れるくらいの大きさの門がそびえており、それは多分誰もが圧倒する程である。あれをくぐったら…もう二度とこの海に戻ってくることはできない。
「扉の向こうへと続く橋も今、まさにせり上がり英雄の歩みを待っている!!!さァ!!行くぞ!!渡るぞニコ・ロビン……………!!!」
正義の門への橋がかかった。海に降り曲がってた橋がゆっくりと繋がるのを見ているしかなかった。道は正義の門までの一直線。逃げ場はない。
「ワハハハハハハハ…!!!とうとう開通だ!!笑いが止まらなねェ………!!!おい!!『正義の門』の門衛共!!!出て来て敬礼はどうした!!?英雄スパンダム様のお通りだぞ!!!」
『あ…!!は…はい直ちに!!』
「ったくバカ共め…オイニコ・ロビン、あれを見ろ。あの小さな門こそが実質の入口だ…!!!アレを通過する一歩こそがお前にとって天国と地獄の境界線!!!そしておれが歴史に名をキザむ瞬間なのだ!!!」
確かに通過したのは長官かもしれないけど、あんたの手柄ではないじゃん。いちいちムカつく言い方をしやがって…そう思ったとき、ロビンが逃げ出そうとした。
「おっとっとっとォ!!今更どこへ逃げようってんだよ!!ワハハハ、同情くらいしてんだよおれだって本当はよ…だが仕方ねェだろ?お前には生きてる価値がねェんだ。」
「ウゥッ!!!」
しかし長官に髪を引っ張られた。でもロビンはそこで諦めず、掴まれていた髪を無理やり引きちぎって走り出した。ロビン、きっとルフィ達が来てくれるのを待ってくれてるんだ。
「待ちやがれェっ!!!てめェいい加減に!!ん!?何だ!?離れねェっ!!!」
追いかけてきた長官に頭を打ち付けられ、捉えられてしまったロビンだが…ロビンは動かなかった。海楼石で能力を封じられ攻撃ができない
ロビンの、精一杯の抵抗だ。