第55章 叫び
「………あれ、その子電伝虫……通話中になってない?」
「!!?え!!?うげェッ!!!しまった!!!今の会話つつぬけか!!?…………………………!!……そ…!!そんなわけでおれの名は麦わらのルフィだ。」
「いや嘘つけし。」
ザマァ。本当にバカなんじゃないかこの人。でもこの子電伝虫で話が全部漏れてるということは、コイツがどんなにクズかも伝わったはず。ロビンは子電伝虫に向かって声を張り上げた。
「全員島を離れて!!!エニエス・ロビーに『バスターコール』がかかった!!!島にいたら誰も助からないわ!!!」
「余計な事言ってんじゃねェよ!!!」
「あァっ!!!」
「ロビン!!!」
思いっきりロビンが殴り飛ばされた。階段の下まで飛ばされてとても痛そうだ。
「くだらん事を口走りやがって…本当に海賊達が逃げちまったらおめェ、どう責任とってくれんだよ。」
倒れたロビンの元に歩いていく長官。ちょっとは時間を稼いだ方がいいだろう。私は後ろから思いっきり体当たりして長官を階段から落とす。
「ロビン!!走って!!」
「ぐあっ!!!」
ドドド、といい音をさせて転がり落ちていった長官。その横をロビンが駆け下りて行く。ルフィがすぐ後ろにいたんだ、コイツからは逃げられなくても時間稼ぎくらいはなるだろう。
「“象牙突進(アイボリーダート)”!!!」
「え…」
「あァっ!!!」
ロビンの後に続いて階段を駆け下りていたが、後ろから象が突進してきた。この象、さっき剣になってたやつだ。真横に剣先が当たって、そのままロビンごと壁に打ち付けられてしまった。
「さァ…来い!!!来いってんだよ!!!橋へ出るんだ!!」
痛い…この攻撃で塔の壁に穴が開けばよかったのに。倒れた私達の元に足音を大きくならしながら下りてきた。そしてロビンの髪、私の腕を引っ張り、階段を登り始める。もう足がジンジンしてるし、抵抗するのも限界があるかもしれない。