第55章 叫び
「バカな事を…言ったハズよ!!それだけでは済まない、あの攻撃に人の感情なんてないわ!!この“エニエス・ロビー”にある全てのものを焼き尽くす!!建物も人も!!島そのものも………!!何もかも犠牲にして目的を達成する悪夢の様な集中砲火!!それが“バスターコール”よ!!!20年前のオハラで何が起きたかあなたは知らないから…!!!」
ロビンがバスターコールを発動させた長官に声を張り上げる。どっちにしたってバスターコールをかけてしまったことに変わりはないし、今更取り消しなんて無理だろう。海軍艦隊が来るんだよね…ここにいたら私達もヤバイ…?
「あァ結構…政府にとってもそれだけのヤマだって事さ…………!!カティ・フラムのバカがプルトンの設計図を燃やしちまった今、お前の存在だけが古代兵器への手がかり。まァそれも異世界人がいることで重要性は少し落ちちまうが…一時代をひっくり返す程の軍事力がかかってるんだ……!!!そのお前らを奪い去ろうとするバカ共をより確実に葬り去る為ならば、たとえ兵士が何千人死のうとも…!!栄えある未来の為の仕方のねェ犠牲といえる!!何よりおれの出世もかかってるしなァ!!!」
「人の命を何だと思ってるの!?」
そんなに古代兵器を手に入れたいか、と思ってたけど…実際はコイツが大きな手柄を手に入れたいだけだとも考えられる。というか、それが目的だろコイツ。
「忘れてくれるな、CP9とは政府の暗躍機関。1000人の命を救う為に100人の死が必要ならば、我々は迷わずその場で100人殺してみせる。真の正義にゃ非情さも必要なのさ。そもそも侵入した海賊共を全く止められねェ能なしの兵士共など死んだ方がマシなんだバカ野郎!!!」
最低だなコイツ。ロビンの言う通り、人の命を蟻のように思ってる。そのくせ自分の命は最優先とか。こんな人が市民の平和を守る政府人間だなんて嫌すぎるんだけど…と、ゲンナリした時、電伝虫に違和感を感じた。