第8章 海賊泥棒
「ところで…何しに?」
「一応、お礼をしに来ただけよ。助けてもらったからね。」
「礼?あ。」
女の人はルフィの前に鍵を投げ捨てた。え?その鍵って…
「鍵!!檻の鍵盗ってきてくれたのか!!」
「まぁね…我ながらバカだったと思うわ。他に海図も宝も何一つ盗めなかったもの。そのお陰で。」
「はーっ!!ホントどうしようかと思ってたんだこの檻!!」
「……は…これで一応逃げた苦労が報われたな。」
「ありがとう!よかったね、ルフィ!」
ルフィが鍵に手を出した瞬間。大人しく座ってた犬が鍵を拾い、そして飲みこんでしまった。
「…………あ。」
なんてことだ。
「このいぬぅ!!!吐け、今飲んだのエサじゃねぇぞ!!!」
ルフィが犬に攻撃をくらます。また喧嘩みたいのが始まってしまった。吐け、とは難しいのでは。でも、どうしよう…鍵、予備とかないよね。その時
「くらっ!!小童ども!!シュシュをいじめるんじゃねぇ!!」
「シュシュ?」
「誰だおっさん。」
申し訳程度の鎧を来ているおじさん?おいじいさんが出てきた。背中には槍みたいなものが。ここの町の人なのかな。
「わしか。わしはこの町の長、さながらの町長じゃ!!」
とりあえずブードルさんに家を貸してもらって、そこでゾロを休ませることにした。出てくるとき、犬のペットフードを持ってこいと言われてしまったので、ゾロが寝たのを確認してから店から出た。出たら店前でシュシュが尻尾を振ってエサを待っていた。
「あ〜、可愛いなぁシュシュ。どーぞ、ご飯ですよ〜」
ここに来て久しぶりの犬の癒やしを得て私はご満悦だ。シュシュにエサをやりじっ、と食べてる様子をみる。
「こいつ、ここで何やってんだ?」
「店番さ。わしはエサさながらをやりに来ただけさながらなんじゃ。」
「あ!本当。よく見たらここお店なんだ。ペットフード屋さんか…」
「この店の主人はわしの親友のじじいでな。この店は10年程前、そいつとシュシュが一緒に開いた店なんだ。二人にとっては思い出がたくさん詰まった大切な店じゃ。わしも好きだがね。この傷をみろ。きっと海賊と戦って店を守ったのだ。」
たしかに、シュシュの周りには傷がいっぱいついていた。そっ、と撫でると嬉しそうにお腹をグルグルとならしていた。