第55章 叫び
ロビンとルフィ達が大滝を間に挟んで向かい合っている。逃げ場所はないし、隣にはCP9がいる。死にたいと叫んだロビンに対して、ルフィはめげなかった。それでもロビンは辛そうにルフィ達を見ている。
「『CP9』、いいかお前ら、抹殺許可は出すがこの“司法の塔”で迎え討て!!!そもそもあいつらがここへ来れる保証もねェんだ!!ワーーッハッハッハッハッハッ!!!このタコ海賊団!!お前らが粋がった所で結局何も変わらねェと思い知れ!!!この殺し屋集団『CP9』の強さ然り!!人の力じゃ開かねェ“正義の門”の重み然り!!!何より今のおれにはこの『ゴールデン電伝虫』を使い、『バスターコール』をかける権限がある!!!」
このバスターコールが問題だって言ってたっけ。その証拠に、長官がゴールデン電伝虫を出した瞬間ロビンが反応を見せた。
「そうさちょうど…20年前。貴様の故郷を消し去った力だニコ・ロビン!!!“オハラ”という文字は…翌年の地図から消えてたっけなァ…」
「やめて!!!それだけはっ!!!」
「ウ〜〜〜ウいい反応だぜ、ゾクゾクする。何だァ!?そりゃこの“バスターコール”発動スイッチを押せって意味か?えっ!?おい…!!」
「それを押せば何が起こるかわかってるの!!?」
見るからに嫌らしくニヤニヤしてる長官にロビンは息を荒らげる。ロビンの故郷が地図からなくなった…言葉でいうと簡単なことだ。想像ができないけど、島を破壊できるような力があるのがバスターコールってわけだよね。
「わかるとも……!!海賊達がこの島から出られる確率が“0”になるんだ!!!このゴールデン電伝虫のボタン一つでな…!!!何か思い出す事でもあるか?ワハハハハハハ!!!
「そんな簡単な事じゃ済まないわ!!!やめなさいっ!!!」
「………んん?生意気な口を利くじゃねェかァ……!!!」
「地図から“オハラ”が消えたって言ったわね…!!地図の上から人間が確認できる?あなた達が世界をそんな目で見てるから、あんな非道な事ができるのよ…………!!!」
ロビンは辛そうに膝をついてしまった。きっと、バスターコールを受けた時の記憶が蘇ってしまったのだろう。