第54章 司法の塔
「だが風はおれの方に吹いてきた…!!ちょうどシビレを切らし、強行策に出ようとしたその時だ。“大将青キジ”より吉報が届いた。かのニコ・ロビンが海賊船に乗ってウォーターセブンへ向かっていると!!!おれは気を落ちつかせる為、一杯のコーヒーを飲んで『バスターコール』の許可を含む全ての状況を作戦に組み込んだ!!!シナリオに多少の変更はあったものの……見ろ!!!古代兵器復活の引き金が二人共今ここにいる!!わかるか!!?世界中の風は今、おれに向かって吹いているんだ!!望めばどんな大国も支配できる程の“力”が今、おれの手中にあるんだ!!!」
こいつ…意外にバカじゃないのかもしれない。馬鹿そうに見えてちゃんと長官の役割をしている。でも、その大国も支配できるような戦力を手に入れてどうするつもりなの?こんな人が市民の平和を願ってるようには見えない。
「青キジは、なぜあなたに『バスターコール』の権限を……?」
「んん??このおれに質問をするなァ!!!無礼者めがァ!!!」
「アウッ!!!」
「ロビン!!!」
ひどい、ただ質問しただけなのに。犯罪者は質問さえもしちゃだめだっていうの?お前なんか本気を出したらロビンに到底敵わないくせに。
「ワッハッハッハッ!!!悪魔の土地、オハラの忌まわしき血族め!!貴様の存在価値などおれが見出してやらねば“無”に等しいものだったんだ!!!おれには充分感謝するんだな!!!なお、この先お前は幾度も死んだ方がマシだと思う程の苦しみを味わう事になるが…覚悟しておけ…痛めつけて………!!利用して………!!海へ捨ててやる!!!お前の存在はそれ程罪深い!!!ワハハハ…ああそういえば………さっきそんなくだらねェお前を取り返しに来たバカがいたなァ。」
「まさか……!!」
「なァに、もう今頃全員捕まってる頃だろうが………!!“麦わらのルフィ”とその一味だ……!!このエニエス・ロビーの一万の兵力の前にはゴミ同然だったようだな!!!まァどうせ監獄への船を出すとこだ。手土産にちょうどいい、このまま『インペルダウン』へ連行するつもりだ。」
ルフィ達、そんなに早くついたのか。途中で別れてしまったサンジとウソ…そげキングとは合流できただろうか。そんな呑気なことを考えてると、ロビンが声を荒げた。