第53章 海列車
「おれが一味を抜けてる間に…そんな事が起きてたのか…!!」
「ロビンちゃんはメリー号の件も、ルフィとお前が大喧嘩した事も…何も知らねェ。だからお前を含めたおれ達7人が、全員無事でいられる様にとロビンちゃんは自分の身を犠牲にしてあいつらの言いなりになってたんだ。おれ達の為に。」
「ぎゃーーーーーーーーーうあうアウアウ、ウォーウ、アウアウアウ!!!いい話じゃねェかァ〜〜〜っ!!!」
うわ、びっくりした。しんみりしてる雰囲気だったのに、大きな声で泣かないでくれる?しかも大の大人が…というかこの人、こんなに人情厚い人だったんだ…
「何でお前が泣いてんだ。」
「バカ!!泣いてねェよバカ!!!チキショー何でこったァ、ニコ・ロビンってのは世間に言わせりゃ冷酷非道の“悪魔の女”のハズ…それがどうだ、その“ホロリ仲間慕情”………!!!」
バタバタ、と泣きながら列車の上で暴れるフランキー。そうか、一般的にはロビンはそう呼ばれてるんだね…最初は何考えてるか分からないような人だったけど、冷酷非道って言うほどじゃないって今では自信満々に否定できる。
「ロビンちゃんは目と鼻の先にいる!!とにかくおれは救出にいくぞ!!!」
「私も!!私も行く!!」
「よし!!!この“フランキー一家”棟梁フランキー!!!手ェ貸すぜマユゲのお兄ちゃん達!!理由あって実はおれもニコ・ロビンが政府に捕まっちゃあ困る立場にあんのよ!!!何よりそんな人情話聞かされちゃあ…おい!! 長っ鼻!!!行くぞ!!!」
意気込んで当たり前のように返事をする。フランキーも同じ気持ちでいてくれてるみたい。強いみたいだし、こっちとしても味方が増えてくれるのは嬉しい。私じゃ大した戦力にもならないし、なにより今私は能力がゼロの状態だから下手したら何もできない。しかし…