第53章 海列車
「そっちは随分賑やかだな。」
『もしもしサンジ君!!?ロビンの行動の理由と、私達の今の状況を全て話すからよく聞いて!!』
ナミが話してくれた内容は、今日一日で起こったこと以上の情報量だった。ロビンがこの列車に一緒に乗っていること、私達の命を優先して暗殺犯に仕立てたこと、ロビンが死のうとしてること。
「……………何か…ちょっと待ってよ…」
「混乱するのもわかる。なまえちゃんは何も知らねェんだからな。」
『サンジーーっ!!』
電伝虫からルフィの声が聞こえた。ちょっとギクッ、としたけど…でもみんなで迎えに来てるのも私の為じゃなくてロビンのだめだと知ってちょっと安心してる。
「おう、ルフィか!!」
『そっちどうだ!?ロビンは!?』
「ロビンちゃんは……まだ捕まったままだ。ナミさんから今事情を聞いたとこさ…全部聞いた…」
『そうか……いいぞ、暴れても!!!』
…ルフィ、これ本気で言ってる。多分サンジが静かに怒りを抑えてることに気づいてるんだろうか。それに、多分ルフィも怒ってる。まぁそりゃそうだろうな、私達のために死のうとしてるんだもん。
『ルフィ!!無茶いうな!!おれ達が追いつくまで待たせろ!!おいコック、聞こえるか!!その列車にはヤベェ奴らが、』
『いいってゾロ!!お前ならどうした。止めたってムダだ。』
ルフィの声が本気だ。ゾロは無駄な面倒事はふやしたくないのと、純粋に戦力が足りないことを心配してるんだろうか。でも、どっちだろうがサンジは聞かない。
「…………わかってんなァ。おうマリモ君、おれを心配してくれんのかい?」
『するかバカ。』
「だが残念だがそんなロビンちゃんの気持ちを聞かされちゃあ…たとえ船長命令でも、おれは、止まる気はねェんで!!!」
勢い余って、握っていた受話器を壊してしまったサンジ。いやこれ相当お怒りだよ。もうルフィ達に連絡できないじゃん…
「じゃあロビンもこの海列車に、」
「ああ。」
壊れた電伝虫を唖然と見てると、サンジとウソップの会話が聞こえてきた。さっきまで風に飛ばされそうでアワアワしてたウソップが、サンジと腹割って話していたのだ。