第53章 海列車
「おれァウォーターセブンの裏の顔!!“解体屋”フランキーだ。」
「てめェがフランキーか!!!クソ野郎!!!よくもあん時ァウチのキュート副船長と長っ鼻をえらい目に!!!何枚にオロされてェんだコラァ!!!」
「いやいやちょっと待て!!あれから色々あったんだ!!!こいつは一時メリー号を助けてくれたし、」
「てんめェ〜!!!この縄解けたら憶えてろォ!!?」
ついさっき元仲間だって言ってた奴が、フランキーの名を聞いた瞬間に蹴りまくるって。まぁ確かにあの時酷い目にはあったけど。不思議と今は殺意が沸かない。許したわけじゃないけどさ。
「………!!そうだ…メリー号は…………!!」
「おいおい待て、今しんみりしてる時か。とにかくお兄ちゃん頼む、縄を解いてくれ。」
「誰がてめェの縄を解くか、一生捕まってろタコ。」
「てんめェ、人が下手に出てりゃいい気になりやがって、」
「おいてめェらやめろってんのに!!グズグズしてたら見つかっちまうだろうがァ!!!」
「あんたの声が1番デカイってんの!!!」
懲りずに喧嘩を始めた二人にウソップは大声で注意をするが、いやお前が1番大きいわ。絶対に前の車両に聞こえただろうな。
「……とりあえず、喧嘩は後ね。ほら2人共、早く逃げよ。」
サンジがフランキーの縄を解くのが嫌そうだったので、私が解くことにした。とりあえず、どこに逃げるべきか。この騒ぎで多分気づかれたと思うから、やっぱり天井かな。
「とりあえず、上に行こう。見つからないように、避難するんだ!」
サンジの指示でとりあえず上に行く。うわ…ちょっと外に出ただけでもビチョビチョになるくらいの大雨なんですけど。これってアクア・ラグナの影響なんだろうか。風も強く吹いていて、サンジに捕まっとく。サンジは持ってきた大きめの電伝虫を繋げる。
「ナミさん、ナミさん聞こえるか!?」
『うん!!サンジ君ね!?』
「こちらちょっとアホ二人のせいでマズイ事になってきた。」
ナミの声だ。ちょっとざわざわしてて聞き取りにくいけど…それはこっちも同じか。何人かで来てるんだろうか。どういう状況なんだろうか。