第53章 海列車
ウソップに話を聞いた。メリー号とウソップを助けてくれた話。あの時私達を拐ってお金を奪ったこと、私達をボコボコにしたのを許したわけじゃない。でも…話をしている内に、根っからの悪ってわけじゃなさそうなことは分かった。まぁ…海賊よりはいいか。何て思ってると、真正面からドアが開いた。
「……あれ…サンジ!?」
「っはぁ〜〜っ!!なまえちゃん、ここにいたんだね〜〜っ!!」
ドアから出てきたのは役人ではなくサンジだった。ここにいるなんて…この口ぶりだと私がここにいるの知ってたっぽい。何で…なんて思ってる間に役人を倒していった。
「“首肉(コリエ)フリット”!!!!」
「サンジ!!お前が何で“海列車”にいるんだ!!?」
「そりゃあ………なまえちゃんの助けを求める声が聞こえたからさ。さ、君の騎士(ナイト)が助けにきました。」
「ありがとう!」
これは素直に嬉しかった。いそいそと縛られていた縄を解いてもらった。やっと解放された…はいいけど、もう海列車は走っちゃってるしこっからどうすればいいのか…
「なまえちゃん、電伝虫ってどこにあるか分かるかい?」
「電伝虫?それならそこにいっぱい…」
役人が随時誰かと連絡をしていたのを見ていたため、棚の上にある大量の電伝虫達を指差す。ルフィ達への連絡用だろうか。
「おお!!あったあった電伝虫。あァよかった、何だここには何匹もあるじゃねェか。通信室も兼ねてんのかな?さっきの車両の役人達ときたら、仮面やら仮装服やらくだらねェもんばっか持ってやがって。やっとこれでナミさんも連絡を。」
「ナミと?」
「あぁ、この列車に乗る前に電伝虫を置いてきたんだ。」
おぉ…さすがサンジ過ぎる。彼は先回りがとてもできる男で、仲間としてとても頼りがいがある。これで女性好きが行き過ぎでなければなぁ…
「お前ら…つまり海賊仲間か……」
「「元な。」」
「誰だてめェは。」
そんなハッキリ口揃えて言わなくても…君達とても仲良かったじゃないか…