第53章 海列車
「放せチキショー、放せー!!!おれをどこへ連れてく気だ!!!てめェら絶対許さねェからな!!!」
「もう…もう諦めようよ……」
「大人しくできるか!!」
バタバタと暴れるウソップ。多分、これ電車に向かってる。そのままエニエス・ロビーまで運ばれて監獄行き。…でも、ちょっと希望はある。エニエス・ロビーに青キジがいれば、私の能力を返してもらえる。ルフィ達には悪いけど、いや死ぬかもしれないけど…少しだけ希望も持ってる。
「長期任務ご苦労様でした!!!」
「ルッチさん、コートを。」
「仰々しいな、やめらせろ。遊びじゃねェんだ、気を引き締めろ!!全員列車に乗れ!!!」
ルッチの号令で全員に緊張が走る。ちょっとくらい隙見せてくれたっていいのに…まぁ逃げれないけど。
『最終便11時「ウォーターセブン」ブルーステーション発エニエス・ロビー行き』
案内が流れる。今何時何だろう…今更だけど、やっぱりちょっと怖くなってきた。せめてもの救いはウソップも側にいるってことかな。ルフィ達…私が列車に乗ってるなんて思ってもないんだろうなぁ。
「ここで大人しくしてろ。」
「痛でーーー!!!てめェらもっと丁重に扱えこのバカ!!!」
「そうだバーカ!!」
「政府のクソ共!!!」
「いやァオイオイ。」
列車の開いてる寮に私達は投げ込まれた。ウソップの上に重なるように乗っかったので私は痛くなかったが。肉壁ありがとう、なんて。
『本日最終便“海列車” ウォーターセブン発エニエス・ロビー行き出航致します。』
「う…!!動き出した…」
「…ッキショーが役人共め。」
「煽るからでしょ…」
海列車がとうとう発車してしまった。これでルフィ達も完全に追いつけなくなってしまった。まぁ…エニエス・ロビーに行ったことが分かったとして、行く船がないもんね。