第52章 決闘
「あんなにみんなに慕われてるおっさんが…ちょっと行ってみる。」
「待ってルフィ、私も行くから。」
ルフィがそのまま屋根を伝ってどっかへ行ってしまった。ナミもルフィを追いかける為に屋上から慌ただしく出ていった。
「おれ達はじゃあロビンちゃんを探しに行くぞ。なまえちゃんは?」
「…………どうしよ…」
「なまえは安静にしてろよ!まだ昨日の傷が癒えてないんだから。」
「うっ……」
アイスバーグさんのことが気になるし、私もちょっと町に出てみようかな、なんて考えてた時だった。チョッパーからドクターストップがかかってしまった。確かに昨日のフランキー一家との戦いで、女らしかぬ包帯が全身に巻かれている。シースルーの長袖を着てちょっと見にくくしてはいけるけど…
「お前は?」
「……………いや、おれはもう少し………………成り行きを見てる…」
ゾロもここに留まるようだ。昨日あんなことあったし、ちょっと気まずいけど…私もここにいることにしよう。サンジとチョッパーを見送って適当に腰を下ろす。風が出てきて、気持ちがいい。
「………風が出てきたね。」
「…あぁ。」
何も話すことはなく、何を話しかけられることもない。ゾロと一緒にいる時は大体そうだ。用がないと話さない、とは違うけど。会話がなくても居心地がいいとはこのことだろう。その時
『ウウゥ〜〜〜…ウウゥ〜〜〜…』
町中にサイレンが響きわたった。びっくりして飛び起きてしまった。慌てて屋上から外に立って町を見る。
『こちらはウォーターセブン気象予報局。只今、島全域に“アクア・ラグナ”警報が発令されました。繰り返します、只今ーー』
「アクア・ラグナ………?」
警報がなるってことは注意を住人に知らせてるってことだよね?でも警報が鳴っても誰も何も焦ってないように見える。
「……何だろう…?でも焦ってるように見えない。」
「気象予報っつってんだから、地震とか嵐とかじゃねェのか?」
「そうなのかな……」
アクア・ラグナ…聞くからして多分水害っぽい。この町に一週間も留まらないといけないからこれから何が起こるかくらいは知っておきたい。