第52章 決闘
どうやらサンジ以外の男達も既にいないらしい。みんな多分眠れねないんだろうな…そりゃ落ち着かないよね。昨日の今日だし。案の定、屋上にはゾロ、チョッパーがいた。
「ここにいたのか。せっかく宿とったのに、部屋に誰もいねェ。みんな揃って…眠れてねェんだろ……」
「ルフィはどこ?」
「あそこ。」
ルフィは隣の建物の屋根に体育座りをしていた。きっとゴチャゴチャと色々考えてるんだろう。いや、逆に考えてないのかもしれないけど。今はルフィはそっ、としとこう。
「サンジ、どこ行ってたんだ?」
「夜中中岩場の岬を見張ってた…………ロビンちゃんが…帰って来やしねェかと思ってよ。……………どこ行ったんだろうな。何も言わずに……………」
甲斐甲斐しいな、サンジ。ロビンが途中からいないなっていうのは気づいてたけど。正直それどころじゃなかった…自分のことばっかで仲間の気遣いすらできないなんて。
「おれは今日は町中を探してみようと思う。もし何かあっても、この宿を落ち合い場所にしとこう。」
「お……!!おれも行くぞ!!探しに!!」
「そうか…よし。」
「ルフィ!!」
私は今日、何しようかと考えている時、屋上の扉が勢い良く開いた。ナミが息を切らしてやってきたのだ。
「ナミさん…………」
「大変なの、今町中この話で持ちきりで………!!ルフィ…!!なまえ!!昨日の夜、造船所のアイスバーグさんが…!!!」
どうやらナミの話によると、アイスバーグさんが昨日の夜襲われたらしい。今朝、部屋で血まみれで倒れてるところを発見されたみたいだ。町中はそのニュースのことで大騒ぎ。そりゃそうだよね、あんなに人気があったんだ。町の英雄と言っても過言ではないアイスバーグさんを、誰かが襲ったんだからみんな血眼になって犯人探しをするだろう。
「アイスのおっさんが………!?」
「ええ、撃たれて今意識不明だって…!!」
「誰だいそりゃ、ナミさん。」
「昨日造船所で私達がお世話になった人よ。造船会社の社長で、ウォーターセブンの市長。」
「そりゃまたずいぶんと大物が…」
「この都市ではこの上ない大事件よ。」
この建物の上からでも見える。新聞社が号外だ、号外だと騒いで新聞をバラまいてる。多分一面にアイスバーグさんのニュースがかかれてることだろう。