第52章 決闘
いつの間にか寝てしまったらしい。ウソップが来るのは10時だと言っていた。もう来てる頃だろうか…少しボーッとした頭で部屋から出る。
「約束の10時だ、ウソップが来るぞ。お前ら船から下りて来るなよ。」
ルフィはもうすでに船から降りており、ルフィ以外のみんなは船の上で見守ってる感じだ。私もならってゾロの隣に行ってルフィを見る。怖い、でも見なければいけない。この喧嘩の結末を。
「来た!!」
「ウソップ〜〜!!!」
遠くからウソップがやって来た。いつも持ってるガマ口バックにどれだけの武器が入ってるのか…ウソップの武器はパチンコだけど、ルフィの攻撃や性格を知ってるだろうから…きっと対策を考えて来てるんだろう。
「怖気づかずに来たな…どんな目にあっても後悔するな!!!お前が望んだ決闘だ!!!」
「当たり前だ。殺す気で来いよ、返り討ちにしてやる!!!もうお前を倒す算段はつけてきた!!!手の内を知らねェ今までの敵と一緒にするなルフィ。おれとお前は長ェ付き合いだ。お前の能力はよく知ってる。」
やっぱりウソップはちゃんと考えてきたんだ。そりゃ初めて会った敵より大分有利だとは思うけども…ウソップの本気はどこまでルフィに通用するだろうか。
「止められねェのか!?ウソップ、ひどいケガなんだよ!!」
「見てられねェなら部屋にいろ。」
気持ちは分かる。ウソップだって今はルフィと敵対してるけど、敵だなんて思えないし…ルフィになんて敵うわけもない。ルフィのことを分かってるというけど、ルフィもウソップのことは分かってるのだ。
「聞いて驚くなよルフィ。おれには!!!8千人の部下がいる!!!命が惜しけりゃ今すぐ降参しろォ!!!」
「ええ〜〜〜〜〜〜〜!!?8千人も!!!?」
「お前部屋に入ってろ。」
さっきとは違う含みでゾロが言う。というか、何でそんな嘘を信じるんだろうねチョッパーも。今まで一緒に冒険してて、8千人の部下なんて見たこともないだろ。
「お前にそんな部下はいねェ事くらい知ってる!!!」
「“ウソ〜〜〜〜〜ップ呪文(スペル)”!!!『全ての歯の間にカミソリがはさまった』!!!」
「ギャ〜〜〜〜〜!!」
「お前部屋に入ってろ。」