第7章 一人目
「本気で来ねぇと血ぃ見るぞ!!」
「そっちがその気なら…!!」
スパッ、と。凄く切れ味がいいほどスパッ、と。まるで3枚におろされたマグロのように。え、待って、人ってそんなキレイに切れるもん?
「うわっ、よえーなあいつ!!」
「何て手ごたえのねぇ奴だ…」
「おいゾロ!早くこっから出してくれ!」
「こりゃ鍵がねぇと開かねぇぞ。この鉄格子は流石に斬れねぇしな。」
「そうか。」
さっきからずっと海賊達が笑っている。なんで?船長がやられたのに…でも、この笑いはちょっと馬鹿にしたような、おかしくて仕方がない笑い方だ。
「何がそんなにおかしい!おとなしくこの檻の鍵を渡せ!おれはお前らと戦う気はない!」
「?おっかしな奴らだなぁ…」
そういえば、下っ端3人が言っていたな。バギーは悪魔の能力者だって。だったら、あんな簡単に斬られることなんてあり得ないか。そう思って斬られたバギーの残骸を見ると、バギーの手が動き始めた。そして、飛んだかと思うと、背を向けてたゾロの横腹当たりに飛んでいった。
「………つ!!!ゾロ!!危ない!!」
「は?」
シュッ、とバックから取り出した短剣を飛んできたバギーの手に目掛けて投げる。命中し、バギーの手を弾いたが、方向転換が間にあわず、ゾロに刺さってしまった。
「ゾロぉ!!!」
「くそっ!!何だこりゃあ一体…手が……浮いてやがる!!」
「ちっ……小娘め…邪魔を……まぁいい。バラバラの実…それがおれの食った悪魔の実の名だ!!おれは斬っても斬れないバラバラ人間なのさ!!」
「体がくっついた…悪魔の実なんてただの噂だと思ってた!!」
「バラバラ人間ってあいつバケモンかっ!!」
「お前が言うなゴム人間っ!!!」
やっぱり…バラバラの実?知らないけど、体がバラバラ自由自在だからだろうか。とりあえず急所を狙っていたらしかったバギーを阻止できてよかったわ。当たっちゃったことに変わりはないけど。
「急所は外しちゃまったか…ロロノア・ゾロ!だが相当の深手だろ。勝負あったな!!」
確かにこれじゃ勝ち目は薄いな。ルフィは今も檻の中だし、まともに戦えるのはゾロしかいないのにゾロは怪我しちゃったし。どうしようって感じでルフィをみた。が
「後ろから刺すなんて卑怯だぞ!!デカっ鼻!!!」
「バカッ!!それだけは言っちゃ…」