第1章 トリップのはじまり
「話は一旦ここで終わりな。知ってると思うが、今からルフィに合わせてやる。」
「ルフィに?」
「そう、おーーい!ルフィーー!!」
船から降りて、シャンクスがベン・ベックマン…副船長と話しているルフィを大声で呼ぶ。ルフィはくるっとコッチへ向き、走ってやってきた。…そうか、ここはまだルフィが小さい頃の話なんだ。私は、麦わらの一味になれるのか?そうだったら、幸運過ぎないか。
「シャンクス!お帰り!」
「おう、ただいまルフィ。」
シシシ、と笑うルフィにまたニカッと笑うシャンクス。二人の笑顔ってちょっと似てる。こつちまで笑えてくるような、そんな温かみがある。
「………ん?お前誰だ?」
ルフィが視線を上から下へ移した。言われてシャンクスからルフィへと視線を移す。まっすぐ見つめられて、ちょっとうっ、となる。
「…えっとぉ………」
「ルフィ、こいつはさっき無人島で見つけたんだ。仲良くしてやれ。ここに住むからな。」
「なまえといいます。よろしく、ルフィ………ってえ!!?ここに住む!!?」
そんな住まねぇのか?みたいな顔を見ないでよ!確かに海の上はこの小さい体じゃ無理だけどね!?小さくなくても、平和なれしてる私じゃあ速攻死ぬなんてことは分かってたけどね!?急すぎる!!
「だって、海の上につれていけるわけねぇし?ここにいたほうが安全だぞ。…ということで、ルフィ、よろしくな。」
「おう分かった!よろしくな、なまえ!」
「……ぁ、うん、よろしくルフィ。」
出会いはいたって簡単に終わってしまった。シャンクスはしばらくここに滞在してから近くの島に渡りに行くらしい。ルフィはシャンクスの船からマキノが経営する居酒屋へと居場所を転じ、そこへ住ませてもらうことになった私に合うために居酒屋へ通うようになった。それを見て、シャンクス達がからかっているのはまた別の話。もとの世界に戻ったときに初めて知るだろう、ここから先体験することは本編にそっているということを。ルフィの仲間となり、グランドラインを抜け、新世界へ渡り、海賊王への道を辿るということを。