第51章 誘拐
「あれ、チョッパー……何処か行ってたの?」
「…………うん。ウソップのところに…」
「!本当?ウソップはどこに居るの?」
「町の宿に………」
チョッパーの顔も帽子で隠れて見えない。だけど多分この様子だと追い返されたか何かだろう。チョッパーが追い返されるなんて余程だ。私が行ったところで何も状況は変わらないかもしれないけど…
「…ちょっと、行ってくる……」
トボトボとキッチンに向かっていくチョッパーに声をかけて船から降りる。宿をとってるということはそんな遠くないはずだ。まだ話せる余地はあるだろう。とりあえず近くの宿を覗いていってウソップをしらみ潰しで探していく。
「……ウソップ、ウソップ……」
「………なまえ?」
3つ目の宿のところでウソップを見つけることができた。ちょうど外に出ていくところだったんだろう。私を見つけて駆け寄ってきたところを見ると、チョッパーのように追い返しはしなさそうだ。
「大丈夫か?すまん、おれがもっと強かったら………」
「ねぇウソップ。一味を抜けるって本気?」
「………………、」
私を心配してくれたのは嬉しいのだが、今はそれを言いに来たのでさっそく本題に入らせてもらう。ウソップの顔は一変険しくなってしまった。
「ごめんね、ルフィと喧嘩してるところから起きてたから……」
「…………おれは…」
ウソップが何も考えなしに一味を抜けるなんて思えない。でも今回はウソップが大切にしてきたメリー号を賭けた戦い。でもメリーを大切にしてきたのはウソップだけじゃないことも分かってるはず。
「メリーは……走れないって聞いた。何でか知ってる?」
「…………メリーだって……頑張れば走れるに決まってる。」
「船の基盤になるっていう竜骨が……」
「知ってるよ!!!………メリーがもう無理だってことも気づいてた……」
ウソップがかぶせてきた。竜骨が割れてること知ってたって?だったら何で…