第51章 誘拐
「なまえ、落ちついて。混乱してるんだよ。」
「なまえ。いいからここで大人しくしてろ。俺達がよ、ぶっ飛ばしてきて来てやる。」
抱き起こしてくれたルフィに縋るが、ルフィは同行を認めてくれなさそうだ。ルフィは真顔で静かに怒ってるのが読み取れたし、それはルフィだけじゃない。隣には涙を流して気絶してるウソップもいた。
「ちょっと待ってろよウソップ、なまえ。あのフザけた家……吹き飛ばして来るからよ………!!!」
4人は私達に背を向けあいつらのアジトへと歩いていってしまった。悔しいな…でもあいつらがいるなら絶対にやってくれるって思う。そういう考えが多分駄目なんだろうけど。何もできないのは否定できないのだ。
「いい加減にしろお前ェ!!!お前だけが辛いなんて思うなよ!!!全員気持ちは同じなんだ!!!!」
「だったら乗り換えるなんて答えが出るハズがねェ!!!」
「………………!!!じゃあいいさ!!!そんなにおれのやり方が気に入らねェんなら、今すぐこの船から…」
「バカ野郎がァ!!!」
騒がしくて目が覚めた。ここは…メリー号か。ベットから身体を起こして見ると、そこにはウソップが横たわっていた。え、待ってどういう状況?
「サンジ!!!」
「ルフィてめェ、今何言おうとしたんだ!!!頭冷やせ!!!滅多な事口にするもんじゃねェぞ!!!」
「………………あ…ああ…!!!悪かった今のは……つい、」
ちょっと待ってよ。この状況……ルフィとウソップが喧嘩してたように思えるんだけど。お金盗られたくらいでルフィは怒らないはず。じゃあ何で2人本気で喧嘩してんの?
「いやいいんだ…それがお前の本心だろ!!」
「何だと……!!!」
「使えねェ仲間は…次々に切り捨てて進めばいい…!!この船に見切りをつけるんなら…おれにもそうしろよ!!!」
「おいウソップ、下らねェ事言ってんじゃねェぞ!!!」
「正直おれはもう、お前らの化け物じみた強さにはついて行けねェと思ってた!!!今日みてェにただの番すらろくにできねェ。この先もまたおめェらに迷惑かけるだけだおれは…!!!弱ェ仲間はいらねェんだろ!!!」
何?ウソップがこの一味から抜ける、みたいな話になってない?強さについていけないなんて、本当は思ってないでしょ。さっきあいつらに言われたことを気にしてるのか…