第51章 誘拐
ボロボロの体で…それでもまだ挑むというの。私はもうルフィ達に任せようと思ってたのに。私だけ助けを待ってるなんておかしな話だ
「私も行く。」
「駄目だ!!」
「責任を感じてるのは私も一緒だよ!!1人で全部背負い込まないで!!」
私達だけじゃ奪い返せないかもしれない。でも、確かに悔しさはある。私だって海賊としての、副船長としてのプライドだってあるんだ。ウソップ1人で乗り込ませられない。
「この先だっけ?メリーを停めてある海岸状沿いにあるのかな?」
「……ほんとに行くのか?」
「え?何で?」
「いや………」
意外そうな顔と言うか、なんとも言えない顔をしたウソップ。そんなに私が敵陣に行くことが珍しいのか?
「…………ウソップが。」
「何だ?」
「ウソップが私の武器を改造してくれたでしょ?私、まだそれ使ってないんだ。」
「…………お前……」
ちょっとした強がりだった。さっきボロボロにしたのは紛れもないあいつらで、しかもそのあいつらの元に乗り込もうっていうんだから怖いに決まってる。
ウォーターセブンから少し離れた岩の岬まで来た。向こうに見えるのがあいつらのアジトか。
「ウソップ、作戦は?」
「そうだな…とりあえず1に金、2に金……」
「3に金か、りょーかい。」
「覚悟はできたか?」
「うん、いいよ。」
私達2人じゃアジトに乗り込んでもやられてしまう確率の方が高い。だからこそ、戦うより奪い返すことが最優先ってわけね。アジトの目の前に来た時、ウソップがパチンコを構えて火薬星を打ち放った。そんな派手に侵入しなくても…
「チッキショーッ!!!」
「誰だァ!!!このフランキー一家にたて突こうってのァ!!!」
煙の中から我先にと出ていったウソップ。追って隠れる形で登場する私。待って、何かコイツらのリーダーっぽい人もいない?