第51章 誘拐
「2億、返してっ!!!」
「このっ!!!離しやがれ!!!」
同じようにウソップもちょうどもがいて逃れたところだった。既に2億は相手の手の内にある。ウソップはパチンコを敵に打ち込んだ。何人かは倒れたが、すぐ起き上がってしまう。懐から短刀を数本投げて応戦する。
「ぎゃははは!!そんな攻撃でおれ達と殺り合おうってか!?」
「お前水は!?氷の技出せ!!!」
「むむむ、無理なの!!!出せないの!!」
ウソップがほえる。私宝石取られてんだから、能力は出せないの!!何て言っても分かんないだろう。とりあえずナイフのみで応戦をする。ダイアルも持ってるが…1人1人にインパクトやってたら死ぬ、私の腕が。とりあえず2億取り返せたらミルキーで屋根の上に逃げればいいや。
「ぐえっ!!」
「え、ウソップ!!」
ウソップが刀で斬られた。くそ、コイツら丸腰相手に……いや、丸腰じゃなかったわ。ただ、二人に対しての人数がおかしい。ウソップが地面に伏せ、その周りで変態達が袋叩きをする。
「やめて!!…きゃ、」
「なまえ!!」
ウソップを庇い、逆に私がふっとばされてしまった。家の壁に思いっきりぶつけてしまった。こんなの日常茶飯事だ、すぐに立ち上がって構える。
「“火薬星”っ!!!」
ウソップが火薬星を放って気を引いてる間に、地面に置いてある2億に向かって走る。とりあえず2億、手に入れたら逃げる。私達では戦い切れない。そう思った瞬間…
「おい、どこに行くんだ譲ちゃん。」
「えっ、」
ガン、という鈍い音を出して頭をハンマーで殴られた。そのまま目の前にあった海へとまた落ちそうになる。すんでのところで留まったはいいが…
「おめェは気絶でもしてろ!!」
そのまま髪を引っ張り上げられて、そのまま顔を海へ突っ込まれた。ヤバイ、これは死ぬ。ただでさえ怪我してるしちょっとパニックを起こしてる為呼吸が荒い。それでさらに息を止めないといけないと、すぐにもたなくなってしまう。
「………ぶはっ!!!あ、ハァ…ハァ…!!………っ、げほ、げほげほ!!、」