第51章 誘拐
「ンマー!!!お前らの船には大工の一人もいねェのか!」
「そうなんだ。おれ達はよ、この島に船の修理と仲間探しに来たんだ。」
「そりゃ船大工はごまんといるが、海賊船に乗りてェって奴ァいるかな。希望して行きてェって奴がいりゃあ引き抜いて構わねェぞ。」
船大工が仲間に入るチャンスだ。こんな世界一の造船工場で船大工が探せるなんて。しかも社長の許可済。ログは一週間だって言ってたから、ゆっくり親睦でも深めていこうかな…
「おい、おい来てみろ!!」
「え?何…」
考え込んでると、ウソップに呼ばれた。さっきからずっと他の船の為に造ってる大砲を眺めていた。ルフィから離れてウソップの側まで歩いていく。
「見てみろこれ!!デミ・カルヴァリン砲!!長ェ〜!!カッコイイ。」
「ピカピカだね……こんな大砲、メリー号には似合わない気がするんだけど。」
「そんなことねェ!!メリーだってきっと似合うさ。しかし、銅製じゃねェか!?ありゃ、高いんだろ…」
興奮したウソップに少々ついていけずにいた私だったが……次の瞬間何者かに後ろから締め付けられた。さっき襲ったフランキー一家だ。声を出そうとも口を塞がれて出すことができない。ウソップも私より大人数で締め付けられてる。私達がもってる2億が狙いか……そのまま抱えられて1番ドックから離れたところまで連れて来られてしまった。これじゃルフィに助けを呼べない。
「このっ……!!」
「いってェ!!!」
住宅街まで連れて来られてしまった。人に助けてもらうことは求めてないが、まだ住宅街なら人通りがある。そう思って思いっきり塞がれてた手を噛んでやったのだ。すると驚いたのか変態は手を離し、私はそのまま解放された。