第50章 船大工職人
「何やってんだなまえ!!!」
「……ぷはっ、…忘れてたのぉ!!!」
「何がだよ!!いいから早く追いかけろ!!」
人の気も知らないで……というかウソップ、あんたが油断してたせいでお金盗られたんだからお前が飛び込めよ。と文句を言いつつ船を何とか追いかける。その時…
「“ロープアクション”!!!すいません、少々ヤガラお貸りしたい。“ラウンド・ターン”!!!」
橋の上から男の人が降りてきた。2つの船に乗ってたドロボーの首を紐で引っ掛けると、引っ張ってお互いの頭をぶつけあわせた。そのまま海に沈んでいったドロボー達。
「くそーっ!!また逃げられたっ!!!」
「そいじゃ元気で!みなさん、また走りましょう。」
みたところこの人も誰かに追われてたようだが…多分ガレーラカンパニーの船大工だろう。よかった、味方だ。これで1億は奪われずに済んだ。ゆっくりと船に向かって泳いでいく。
「おーーい、ありがとう。その金おれ達のだ!!!」
「え?金?あ…これか。」
「いやオイ!!!戻れ〜っ!!!」
え、え、待って。仲間じゃないのかこの人!!ウソップの呼びかけに笑顔で手を振って去ろうとしないで!!全速力で泳いで船に追いつきしがみつく。
「待って!!そのお金はあんたらに払うお金なの!!!返して!!!」
「……ん?なっ……」
私の声に気づいたのか、ロープの人は私を見る。そして瞬時に赤くなり、何かいいたそうに口をパクパクさせている。は?何……と思ったとき、橋からまた誰かが降りてきてロープの人の耳を思いっきりつねった。しばらく抵抗してたロープの人だったが、降りてきた人がしつこくつねるので観念したらしい。
「え、誰……」
「おいおい離せっ!!!何すんだてめェは!!!逃げやしねェよ!!!もう分かったってんだろ!!!耳をはなせ、せっかく大金が入ったってのに…!!てめェ覚えてろルッチ!!!」
何だこの人。肩に鳩乗っけて…さっきからずっと喋らないでロープの人つねりあげてるし。しかし船に上がるタイミングが分からなくてずっと私海に浸かってるんだけど…