第50章 船大工職人
「そうか、よく来た。おれはこの都市のボス!!アイスバーグ。そしてこのネズミはさっき拾った、名前は…そうだな、“ティラノサウルス”。エサとカゴを用意せねば。」
「手配済みです、アイスバーグさん!!」
「ンマー!!流石だなカリファ。」
「恐れ入ります!!」
アイスバーグさんって……市長で、ガレーラカンパニーの社長の凄い人か。忙しい身だってカクさん言ってたけど、私達の前に現れてくれた。
「それより10分後にチザのホテルでグラス工場の幹部と会食。その後リグリア広場での講演会、終わりましたら美食の町プッチの市長ビミネ氏と会談。その場で新聞社の取材を受けて頂き、本社へ戻り書類に少々お目通しをお願い致します。」
「いやだ!!!!」
「では全てキャンセルします。」
「おい、いいのかそれで!!!」
全てキャンセルされた方の気持ち分かってないなこの人。でも確かに本当に忙しそうだ、分単位で予定が決まってそうだもんね。そしてそれ全部把握管理してるカリファさんも相当凄い。
「こんな事ができる程の権力者だおれは。」
「市長失格じゃねェか、完全に。」
「わがままな奴だなー。でもコレあのバーさんの言ってたアレじゃねェか?」
「ええ、そうみたい。そのアレよ。」
「ちょ…市長に失礼だって、」
今はこんなちょっとバカっぽそうな感じだけど、こんな毎日スケジュールが詰められてたら休みたくもなるって。3人を止めようと声掛けた瞬間…
「無礼者っ!!」
カリファさんの足攻撃。もろにくらったウソップと、ギリギリで避けた私達。女性なのに凄いこの人暴力的だ。
「何すんだお前!!」
「びっくりした…………!!」
「世界屈指の造船技術者に向かって、アレだのコレだの何ですか!!!はっ!!失礼、つい取り乱してしまいました。ですが、アイスバーグさんは市民の憧れ。あまり無礼のない様に!!」
「カリファををあまり怒らせるなよ。この女は怒ると見境がない。」
「そっちにだいぶ蹴り入ってんな!!!」
「おめェが無礼だよ。」
カリファさんの後ろにいたはずのアイスバーグさんが何故こんなボコボコなのか。右頬が真っ赤に腫れてる。